ワン・フォー・オールについて
ワン・フォー・オール（以下OFA）の特性について、作中の説明や描写は以下の通りである。
- "個性"を譲渡する"個性"である。
- OFAは、いわば何人もの極まりし身体能力が一つに収束されたもの。
- 譲渡先の人物の身体が弱ければ（器として不十分であれば）力を受け取りきれず、四肢がもげ爆散してしまう。
- OFAの持ち主のDNA（髪の毛などでOK）を譲渡先の人物が取り込む（食う）ことで譲渡可能。（出久はその酸っぱさに耐えて何とか飲み込んだ）
- 力の扱いに慣れないと100%のパワーしか出せず、通常は身体が耐えられずに破壊（骨折など）されてしまう。
- 身体（器）を鍛えるほど高出力のパワーに耐えられるようになる。
- 譲渡したあと、元の持ち主の力は徐々に消えていく。
1.5.6.7.については、本編を読んでいれば特に疑問は無いだろう。
問題は2.3.4.である。順番に考察したいと思う。
2.OFAは、いわば何人もの極まりし身体能力が一つに収束されたもの。
OFA発動時のパワーやスピードは、歴代のOFA継承者の身体能力が合わさったもの。
つまり代を重ねるごとにどんどん強くなるのだろうか。
これについては様々な説があるが、有力と思われるものを2つ紹介する。
・受け取った時点の先代+自身の力がOFAの出力となる。その後に自身が鍛えた力も上乗せされていく。
・受け取った時点では先代の力のみがOFAの出力となる。その後に自身が鍛えた力のみが上乗せされていく。
前者だとすると身体を鍛えまくったマッチョ同士で回していけば倍々ゲームで強くなるのか？疑問が残る。しかし、それはさすがに少年漫画としてやってはいけない気がする…
後者だとすると先の疑問は解消されるが、既に鍛えまくったマッチョに譲渡するより、出久のようなギリギリ収まるくらいの器に譲渡したほうが後々伸びる可能性が高い…ということになる。
ちょっと不便だが、いっそこちらのほうが「主人公は無限の可能性を持つ」という感じで、少年漫画的な意味でOKなのではないだろうか。
3.譲渡先の人物の身体が弱ければ力を受け取りきれず、四肢がもげ爆散してしまう。
そもそもこの話、本当なのかどうか。オールマイトは出久にみっちり身体を鍛えさせているため、「生半可な身体では受け取りきれない」というのは本当だろうが、「爆散」はオールマイトの爆笑ジョークかもしれない。ただしここでは他に検証手段もないため、マイトの言葉を信じよう。
受け取りきれないと「爆散する」ことを知っている→つまり「そう」なった人が過去にいた…ということである。
そうなった場合、おそらくOFAは譲渡されず、譲渡前の身体に宿ったままなのだろう。その後また別の者に譲渡されたと考えるべきか。
考えるほど恐ろしいので、やっぱり爆笑ジョークということにしておきたいのが正直なところ。
また、代を重ねるごとに力が強まるようなので、「器」として要求される身体が際限なく強くなっていくのではないか、という疑問もある。
これについては不明であるが、私情を挟むと、要求される身体の強さには上限があってほしいものである。誰も受け取れない、おそらく遺伝もしない最強個性の存在は、ちょっと悲しすぎる。
4.OFAの持ち主のDNAを譲渡先の人物が取り込むことで譲渡可能。
DNAを取り込む、と言うと大げさだが、例えばくしゃみや咳をした際の飛沫にも当然ながらDNAは含まれているはずで、ヒトのDNAを取り込む機会などいくらでもあるだろう。
特にオールマイトは吐血・喀血しまくっており、言い方はアレだがDNAを撒き散らしているような存在であろう。
にもかかわらず出久にのみ譲渡できたということは、
・「譲渡する」という意志を伴ったDNAでなければ譲渡されない
・DNAを一度に一定量以上取り込む必要がある
以上のような理由が考えられるか。この両方ということも有り得るだろう。
万が一、後者のみの理由だった場合、OFAの継承者は誰かと濃厚なキスでもしようものなら、その瞬間相手が爆散するかもしれない。
またヴィランとの戦闘中に出血したり、身体を噛まれたり→OFA継承、という可能性もあるのだ。
これではあまりにも危険すぎるし、全く人と触れ合えない人生を送るハメになるかもしれない。
できれば、前者または両方の理由なのであろう、と思いたいところである。
※本編にて、「『譲渡したい』と思った相手にしか譲渡されない」との説明がありました。
