今なら良くわかるの。どうして両親が誠実に生きなさい、って言ったわけが

発言者:青砥 美汐
対象者:秋月 凌駕


美汐√エピローグ―――
誠実に生きても世の中は理不尽だらけで報われるとは限らない。ほくそ笑むのは悪党で善人や正直者は馬鹿を見るのみ。
両親の死を契機にそう思い、誠実に生きれば報われるなどと教えた両親を恨んでいた美汐が自らも母親となり、告げた言葉。

世の中は理不尽だらけで報われるとは限らない、そんな事は他ならない幾多の荒波に揉まれてきた親自身がわかっている。
ましてや美汐の父親は政界などという魑魅魍魎が渦巻く世界で生きていた以上
それこそもっと強かに生きて誰かに傷つけられることも無く勝ち続けることとて出来ただろう。
だが親になることで子どもに願うのはそんな強者や勝者になって欲しいというものではないのだと美汐は気づいた。
「どうかいつも、可愛らしい笑顔を咲かせて欲しい」「いつだって、真っ直ぐな気持ちで居てほしい」
そんな簡単で大切な当たり前の事をこそ親は子に願うのだと、理解したからこそ美汐もかつては恨んだ両親を愛していると胸を張って言うのであった。

そして……

「だからね、この子だけじゃなくてもっとたくさんの家族が欲しいと思うの。
……協力してくれるかなぁ。ねえパーパ?」

そう告げる美汐に、凌駕は家族を支えていく者として答えを返す。

「喜んで……と言いたいところだけど、それは学校を卒業してから頼むよ」

「俺も立派な父親として、働く姿を見せたいからさ」


「なら、今から予約ね。子沢山の家族で、いつも皆で笑い合ってみせましょう」


愛娘を抱き、大切な存在との時間を愛おしむ美汐を見つめつつも、
凌駕は、仮面の存在の残した“次”を予感させる言葉と、自分に未だ残る永久機関の音に、一抹の不安を感じ……

――それでも少女の優しい眼差しに、男として、父として、この掛け替えのない家族を守りたいと決意を新たにして、
結ばれた二人は、お互いへの、そしてわが子への愛情を確かめ合う。


「愛してるわ、凌駕」

「あなたとこの子を。誰よりも、何よりも」


「俺もさ。愛してるよ、美汐」


微笑みを交わし合う一組の男女には、温かな陽光が降り注いでいた―――



  • 誠実に生きすぎた結果、凌駕2号になってオルフィレウスが大喜び -- 名無しさん (2017-03-23 21:43:57)
  • なお、ゼロイン2では娘の青砥ジュンに受け継がれた、万里也ジュンの素粒子がキーとなる模様 -- 名無しさん (2017-03-23 22:28:15)
  • 心装真理ってこういう境地に達して発動できるものなのか? -- 名無しさん (2017-05-30 16:10:07)
  • ↑エゴとイド双方含めて自分だって境地やな。自分はこう生きたい!ってのがエゴで、でも現実そんな甘くないよねってのがイドで、それをわかった上ででも自分はこう生きていく(生きていたい)的な境地というか -- 名無しさん (2017-05-30 17:57:13)
  • ↑それ考えたら凌駕さんって本当に最初から完成してたんやなってなる定期 -- 名無しさん (2017-10-17 01:01:03)
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最終更新:2020年06月22日 21:33