さあ、時計の針を進めよう

発言者:オルフィレウス


『Zero Infinity -Devil of Maxwell-』のキャッチコピーとも言える、ラスボスにして科学文明の神たる超越者オルフィレウスの台詞。
彼の真たる願い、科学というものに憧憬を抱いたきっかけ、時計機構(ホロロギウム)という組織を作り上げた理由それらが全て込められた宣誓である。


「科学の到達点とは即ち、可視化された人間の想像力と可能性の究極と同義である。
永久機関という無限動力を手にする事で、人類は自身の可能性の最大値(・・・・・・・)を極めるはずだった」


始まりは彼がまだ超越者となる前、ただのヨハンという一人の少年だった頃。
古びた時計の歯車、それが科学的に動く様が好きで、その秒針が止まらなければ良いと思った。ずっと歯車は回っていて欲しいのだと。

そうして「科学」というものに憧れた生まれつきの超越者はその超越性故に早々にして永久機関という己が到達点へと辿り着いてしまう。
科学者にとっては完璧とは絶望、もはやそれ以上に改善の余地が無く探求が終わってしまうことである。
故にその時点で科学者たるヨハン・エルンスト・エリアス・ベスラーは何よりも深い絶望を抱いた。
こんなにも早く自分の探求は終わるのかと。
何故自分は永久機関以外に至れぬのかと。
これを公表してしまえば歴史において自分の名が史上最大の偉人として刻まれるのと引き換えに、
科学とは全て自分の生み出したもののデッドコピーや模倣を作ることになってしまうものに成り下がるだろうと。

『これは私が夢見た、人類に無限の可能性をもたらす不朽の“真理”ではない』

『前提が間違っていたのだ。全ては人間(・・)──主体である人間こそが無限を目指さねば、無限動力たる永久機関もその存在意義を喪失してしまう。
単なる最大値(・・・・・・)を常時出力するだけの道具など、人類(ヒト)を堕落させるだけの害悪でしかない。
完全なる限界が設定された世界は早々に成長を止め、最大値(・・・)を目減りさせながら緩慢に衰退していくことだろう。
私は、そんな腐った未来に人類(ヒト)を導くわけにはいかなかった』

『だがしかし、私自身にはもはや手札が尽きていた。
思い描けるならば、どんな絵空事も現実になりうる。その逆に、思い描けぬ事は決して現実とはなりえない。
科学の到達点(ゆめ)たる永久機関を創造してしまった私に、その先(・・・)を思い描く事はもはや不可能だった』

『故に私は……“託す”事に決めた。私のこの視座にまで辿り着き、
その上で私には思い描けぬ別種の可能性の真理(まど)を開く者に、この人類の未来を────』


そうして苦悩の果てに彼は一つの答えへとたどり着く、
自分が人類の到達点を作り上げてしまったのならばそもそも人類の到達点それ自体を拡張すればいいのだと。
自身の想像を凌駕することの出来る人間(・・)、自身とは別の真理を体得した存在を見つければ良いのだと。


そうして彼は造り上げた。
自分と同じく真理へと至れる者を探すための刻鋼式心装永久機関を。
その存在を効率的に発掘し、科学文明を操る組織時計機構を。


「砕け散った鋼の一欠片、流された血の一滴……その全てが科学、すなわち人類の可能性を拡張する礎となってきた。
闘士たちの犠牲に、哀悼と敬意を捧げずにはいられない。無論その折々にも、それぞれ歯車の中心となる傑物が台頭してきたのは間違いない。
自らが時計の歯車である事すら超越せんとする程の、力と気概とをもって……」

「だが、彼らのいかなる奮迅も、未だ単なる感動的な英雄譚(・・・・・・・・・・)に終始している。
いずれも人の心を震わせる力に満ちていたが、朝露の如く儚く消える一夜限りのもの。
そう、“感動” には再現性がない。故にそれは “真理” ではない。
再現性を備えてこその真理。そうなって初めて、人間(ヒト)の魂の活動は科学の領域にまで達し得るのだ。
―――されど真理に至る者、未だ不在」


天頂にて時計の星座(ホロロギウム)は輝きながら、全ての運命を掌握する。


「自動輪の導く先にて、煌めく魔法を創始せよ」


存在しながら姿を見せず、極めた科学が魔法であるなら。


「無限の鼓動が成る果てに、オルフィレウスは待っている」


全ての始まりに存在し、全ての終わりに君臨しつつ。


「無謬の我執(ユメ)を携えて、新たな真理を待っている」


科学幻想を導くために。終わらぬ探求の旅路を、永劫歩むと決めた日から。
彼は幾度も幾度も口にした。そして再び、こう呟くのだ。


輝ける己の後進、自分とは別の真理へと至った者が現れたその時にこそ―――


「さあ、時計の針を進めよう」


自分の真理によって止まった科学文明と言う時計の針を進めるのだ……
超越者はその時を今か、今かと待ち焦がれているのであった────




  • 生首爆弾の項でも言われてるけどこの人友人(出来れば幼馴染み)に同じ超人がいてその友人と二人で科学者になってヨハン「私永久機関を作ったぞ!」超人友人「俺なんてタイムマシン作ったぜ!」と言いながら高め合うのが理想だったんだろうなぁ。そうしたら作中での弱者の弱さの理解不能さによる外道行為を行うような歪みが発生しなかったかもしれない。 -- 名無しさん (2017-03-20 19:57:02)
  • つまり凌駕さんがオルフィレウス2号になってしまえばゼロイン本編以降の被害者はゼロになると -- 名無しさん (2017-03-20 20:09:48)
  • 纏めると「俺についてこれる友人が欲しい!」...なんだろう、この残念なオタク -- 名無しさん (2017-03-20 23:31:04)
  • 200年単位で拗らせた年代モノの筋金入りの科学オタクやからな -- 名無しさん (2017-03-21 11:05:35)
  • ヨハンが生まれた家の近所のおじさん「あの子供いつも時計ばっか見てるよな」近所のおばさん「時計の歯車が「かがくてき」に動くのが好きなんだって。ずっと止まらないで歯車が回っていてほしいんですって。ふふ、変わってるわね」おじさん「あいつは良い時計職人になれるな」~そして時は流れ~♪→ヨハンくん(200歳以上)「我が朋友は無謬の歯車、それのみよ」安心してください。作りましたよ時計。真理到達者という異界法則を操る超人を産み出す過程としてあらゆる科学の促進を適度な形で進める「永劫たれ、天頂に廻る機構時計よ(エターナル・クロックワーク)」という歴史上最高の時計を作りましたよ!(全力の白目) -- 名無しさん (2017-03-21 20:46:40)
  • 伯爵→バイロン、カグツチ→総統、ヘリオス→アッシュと誰かしら好意を向けてくれている相手が居る中で、唯一誰からも好意的に見られてないオルフィレウスさんマジぼっち -- 名無しさん (2017-03-21 21:06:12)
  • 他のトンチキと比べたら才能がはじめから上限突破してる上で不屈の意思持ってるから本当に誰もついて来れないんだよなあ -- 名無しさん (2017-03-21 21:14:16)
  • 才能のある総統だからなオルフィレウス -- 名無しさん (2017-03-21 21:18:45)
  • 才能のある総統よりも雄々しさのある糞眼鏡って方が近そう -- 名無しさん (2017-03-21 21:19:54)
  • 才能ある上に努力も欠かさない、そして真理段階見るにまだだ疑惑まであり……そりゃ誰もついて来れねぇよ -- 名無しさん (2017-03-21 21:22:13)
  • そしてそのお眼鏡に叶うのは凌駕にもなるわな -- 名無しさん (2017-03-21 21:29:01)
  • ↑7成長した姿が銀髪ロングが嫌みにならない(性格が補えるとは言えない)碧眼のイケメンな辺り幼年期時代も銀髪の可愛らしい時計好きの美ショタだったろうな。歪みも幼いからまだ本編よりは顕著じゃないのと少し変わった子扱い程度ですまされてたと思うから可愛がられてたと思うが成長して中学生位になったら「あ、コイツガチだ。ガチで科学オタクを拗らせたマジモンの中二病存在だわ」ってなって家族含めた周りの人が手に負えなくなって今の科学の機械神になったと -- 名無しさん (2017-05-04 09:17:42)
  • 顔良し、スタイル良し、頭良し。これだけ揃っても童貞であろうヨハンくん -- 名無しさん (2017-05-04 11:10:36)
  • 凌駕さんが女だったらレ◯プしちゃいそうなオルフィレウスさん -- 名無しさん (2017-05-04 12:49:28)
  • 自分より科学の方が大事なんでしょ?って振られそう -- 名無しさん (2017-06-12 12:34:40)
  • オルフィレウスが女に生まれた凌駕に惚れるって話も面白そう -- 名無しさん (2017-06-13 23:12:10)
  • ↑その場合、オルフィレウスを攻略する凌駕なのか、凌駕を攻略するオルフィレウスなのか。どっちだ? -- 名無しさん (2017-07-28 17:10:08)
  • あまりにも性格が地雷すぎて凌駕ちゃんから振られる未来しか見えない -- 名無しさん (2017-07-28 17:15:47)
  • オルフィレウスルートって絶対にバッドエンドじゃん -- 名無しさん (2017-07-28 18:26:34)
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最終更新:2023年08月09日 14:02