設定

○導入(?)

乾いた風の吹く、灰色の街。
街には、墓標のごとく灰色の建物が立ち並ぶ。
それらは、かつて栄華を誇った小国の残滓だろうか。
墓標の窓の多くは砕け、暗い窓には時折明かりが灯る。
栄華の残滓の間からは、いくつも鈍色の空へと昇る煙。
それは、未だここに生きる者達が居ることの証明であり。
同時にこの街が、"墓場"と呼ばれる所以でもあった。
ここは、ユーレリア地方の東、カルゾラル高原の西。
墓標街と呼ばれる小さな廃都である。
人族と蛮族による、幾度かの攻防戦の戦場となった場所であり。
領主からも、藩王からもも見捨てられた街。
ここには、どちらにも居られないものが集う。
それは逃亡奴隷であり、罪人であり。
人目を避けたがる者であり、狂人であり。
彼あるいは彼女達にはそれぞれに理由があり。
あるいは、無いかもしれない。
ただ言えることはひとつ。
ここで始まるのは、未だかつて無い物語であるということ。


○舞台設定
"墓標街"トロイト
  • 立地について
カルゾラル高原の西部、人族領域と蛮族領域の緩衝地帯の一角に存在する廃都市郡です。
荒涼とした、時折草原や森林の散財する高原地形の中に、空に向けて屹立するいくつもの灰色の廃墟が特徴的です。
周囲にも同様の遺跡群が散在し、入り組んだ地形を形成しています。
魔動機文明時代の都市の残骸、特に高層住居めいた遺跡が多く残っており
遠くから見れば、あたかも墓標がいくつも乱立して見えることから、墓標街などと呼称されています。
  • 歴史について
ここはかつて、人族領域の交易の中心地として栄え、大破局の際に蛮族に奪取された後は、橋頭堡として用いられました。
ですが、人族と蛮族の勢力圏の変化の度に占領、奪還が繰り返され、現在は勢力圏の変化により、実質的に放棄されています。
周囲にはいくつかの蛮族領が存在しますが、どれも藩王が相互に牽制しあっており、事実上不可侵領域となっています。
その理由は、諸説ありますが、墓標街には何らかの人族、蛮族にどちらかがそれらが望む何かが眠っているためとも
あるいは、そこに足を踏み入れることを恐れる何かが潜んでいるためとも考えられています。

  • 現在の墓標街
幾度も繰り返された戦闘の影響か、建造物は老朽化が激しく、また、遺物も多くは略奪されています。
老朽の極まった建物は時折崩落し、場所によっては多くの犠牲者が生まれることもあります。
また、不可侵領域となった影響か、人族領域や蛮族領域での居場所を失った者や、追放された者達がここに身を隠していたり
不可侵領域であることを利用し、悪辣な取引を行う場所として利用する者や
そうした者達を狙い、狩りを行う者達など、多様な人々が集まります。
墓標街の内部は、それぞれある程度区画分けされた場所を、それぞれの縄張りとしている蛮族が存在します。
墓標街はそうした者達によって支配された、ある意味ではこのカルゾラル高原の縮図とも言える状態となっています。
彼らはそれぞれの思惑を持ってして行動しており、その思惑とPCの指針がぶつかるようであれば、PCを排除するかもしれません。

  • 墓標街の地理と施設
北西区画
元々は広場や、市場があったと思われる区画です。
現在は墓標街で暮らす蛮族達によってバラックやテントなどが乱雑に設置されています。
また、広場の中では奴隷市場や、どこからか流れてきた物品の販売の行われている市場があります。
土地としての特色もあり、様々なものが流通しています。
未だ入り組んだ地形で、危険が多く潜む墓標街の中では、最も安全な場所でもあります。
施設:バラック街、市場

北東区画
墓標街の中で最も崩落した遺跡が多い区画です。
あちこちに建物の残骸が落ち、頭上にある建物も今にも崩れ落ちそうなほどにボロボロです。
区画の中央には、巨大なドーム状の廃墟があるようですが、そこに辿り着く方法は今だ不明です。
ここを縄張りとしている蛮族は今のところ居ないようですが、時折、廃墟の中を歩く不審な影の存在が噂されています。

○NPC
  • "鉄の顎の"ソニアス(オーガ/不明/男/北西区画)
「何事にでも、対価っつ―モンが必要だ、わかるな?」
"墓標街"の北西に存在する、雑多な広場と多種の商品が出回る市場を縄張りとしているオーガです。
市場や、周辺にある居住区に暮らす者達を威圧し、場所代と称して金品を請求したり、自身の支配下の店で働かせたりします。
市場における取引についてはあまり関心がなく、自身が不利にならない限りは積極的な行動を起こしません。
違法な薬物などについても、あくまで金になるのならばそれを売ることになんの罪悪感も持ちません。
派手な服と大柄な身体、そして特徴的な、顔の下半分を覆う仮面を身につけています。
曰く、仮面は過去に下顎を失うほどの大怪我をしながらも生還した際の傷を隠すものだそうで、卓越した格闘技術を持ちます。
ある意味では典型的な小悪党であり、利害の上で相互のバランスが取れていようと、相手を裏切ることを躊躇しません。

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最終更新:2014年05月28日 22:48