製作者 | 三千三百 |
出場大会 | 第十回大会 |
経歴 |
設定
<説明>
俺が子供の頃に描いたものは、こんなものだったのか…?
俺の名はグリーン。戦隊ヒーローの一人として、子供達の憧れとして日々悪鬼共と戦っている。
そんな俺の最近の悩み。それは、
"子供達から人気がない事"
この事に関しては、毎月行われるヒーロー会議の議題として挙がる。内容については、キャラに魅力がないとか、戦闘中に何処にいるのか見当たらないくらい影が薄いとか、キャラ被りしているとかで、何度も会長からキャラの路線変更を、それとなく促されるが、俺はこれまでずっと不器用に生きてきた。今更変える事はできない。
議会の今後の方針として、レッドとブルー、ブラックで世の中の主婦達のハートを掴んだらしいので、今後は男性側の人気を上げるように、ピンクだけの現状から、女性キャラを増やしていくらしい。だが、その為には予算が足りない事、色が増えすぎると覚えにくい事を問題としてあげていた。…おおよそ議会の考えは分かっていた。誰よりも影の薄いグリーンを消して、新メンバーで女グリーンを増員する予定なのだろう。イエローも言っていた。俺たちは終わりだ、と。
恐らく一番初めのターゲットは俺だ。きっと再来週のお茶の間には、スカートをはいた緑色の新メンバーが活躍する事だろう。
俺は何もかもやる気がなくなり、ヤケ酒をした。正直その後は自分の身に何が起きたのか覚えていない。
…気がついたら、俺は戦場のど真ん中にいた。泣き叫ぶ子供達。廃墟と化した建物。無惨に転がる死体。鼻にまとわりつく嫌な匂い。そして、俺の世界にはなかった、この街の中枢を担っているであろう巨大なタワーが不気味に見えた。
…そんな事はどうでもいい。泣き叫ぶ子供を追い詰め、弄ぼうとする囚人共をこの目で捉えたとき、俺の怒りは頂点に達した。
一つは目の前の光景に、一つは自分の志に。
俺は人気者になる為にヒーローになったのか?いつから周りの評価ばかり気にするようになった?どうして自分の夢が叶ったからと、自己防衛に勤(イソ)しむようになった?なぜ死ぬ間際のお袋に、順調であると嘘をついた?
違う!!!そんなんじゃない!!!俺の目指したヒーローは!!いつでも強く!誰よりも優しく!どれだけ人気がなくても!子供達を!!街を!!世界を守るカッコいいヒーローだ!!!!
俺は今日限りでヒーローをやめる。ヒーローになる為に。
<能力>
・鍛え上げた肉体
貧乏時代からずっと鍛え上げてきた己の肉体を駆使して戦う。正直パワー系のリーダー、レッドを比較に出来ないほど強い。最初の頃こそチヤホヤされたが、回を重ねるごとに力を抑えるよう注意されたり、飛び道具以外禁止にされたりしていた。
その事でよく「こわい(7歳女、小学生)」「チームなのにバランスが悪い(13歳男、中学生)」「怪人が瞬殺されたりバラバラに粉砕されてて、怪人が可哀想に思えてくる、正直ひく。(16歳女、高校生)」「女成分が足りない(42歳男、会社員)」などとアンケートで言われたりするが、そんなのは関係ない。俺は自身の力を信じ、色のイメージが合わなかろうが血の滲む思いで勝ち取った色だ。俺はこの色に己の魂を賭けて戦う。
・ACFマント(アンチコールド&フレイムマント)
幼い頃の憧れのヒーロー、パープルさんから授かった、俺の青春そのものであるマント。
能力はとても優れていて、たとえどんな極寒の地や灼熱の地でも、全く外気を感じない。また、どんな炎や熱の攻撃も吸収し、俺の体力を回復してくれる(あくまで炎か熱のみなので、熱を持った剣で刺されると、剣のダメージだけは普通に入る)。このマントがあったからこそ、あの過酷なヒーロー試験に合格出来たんだ、本当にパープルさんには頭が上がらない。
だが、マントも色が色なので、メンバーにつけないように厳しく言われた。この事はアンケート調査でもわかっている事で、「リーダーがダサい(8歳男、小学生)」「リーダーでもないのにマント付けられると初見じゃリーダーとしか思えない。子供達もリーダーはなんかダサいとか言ってて、レッド君はイケメンなのになんでだろうと思ったら、あの影の薄いやつをリーダーだと思ったみたい。紛らわしいからもう出なくていいです。(36歳女、主婦)」「女成分が足りない。(42歳男、会社員)」と言われる始末。だが、俺もこれだけは譲れなかったので妥協案として、マントを裏返しにして紫色を目立たなくする(裏地は黒色)&レッドにだけ派手なマントをつける事で難を逃れ、俺のマント生活は平穏を勝ち取った。
しかし、最近途中メンバーとして入ってきた、飲み会の席でも一度たりとも俺とだけ会話しない、ダンディ枠のブラックに「ねぇグリーン君、あのさ、悪いんだけどそのマント、色被るから来週からやめてもらえる?」とか、早口で言われた。
お前よくそんな軽く言えるよな?!こっちはこれで何度も命救われとんぞ?!てかダンディ枠ってなんぞ?!お前戦闘中パイプふかして傍観しとるだけぞ?!てか、色が黒だからってマント羽織るとか安直すぎんぞ?!なんでこんなんが人気投票2位なんぞ?!
結局ブラックの発言、及びアンケートのコメントを会議に出され、俺はマント禁止令を呑むしかなかった。
…だが、今はそんな事は関係ない。俺は初心に戻るためにも、パープルさんの力が必要だ。俺はこのマントに誇りを持ち、囚人共と戦う。
・WG(ウィップ・ガン)
これは、貧乏時代に共にヒーローを志した親友の、開発した武器。残念ながら友はオレンジに抜擢された数日後、家庭の事情で断念せざるを得ない状況になってしまった。しかし、今では武器開発職として、昔のよしみでサポートしてくれている。
この銃は、遠距離からエネルギー弾を発射する事と、銃口からエネルギー状の鞭を出し、相手を攻撃したり、拘束するときに活用できる。エネルギーに触れると体が痺れ、怯ませる事ができる。鞭は切り離し可能なので、複数の敵を拘束するときに大変便利だ。
俺はいつも周りに生かされてきた。ヒーロー試験に受かったのも、ヒーローへの憧れの気持ちと、友と切磋琢磨した時代があるからこそのものだ。
だから、たとえ周りから「銃がオレンジ、マントが紫、体が緑。これだけ統一性皆無のヒーローを見た事がない(38歳男、主夫)」「パワー系なのに銃を使う意味がわからない。(25歳男、無職)」「そもそも、女成分が足りない。(42歳男、会社員)」とか書かれようが…てか、42歳会社員は何回送ってんだよ!
…話が逸れた。ともかく、俺は支えてくれた皆の期待に応えられるよう、どんな敵とも戦っていく。
・熱い魂
(この能力は、自分の命が絶たれそうな時に、相手と話し合うことで発動する。相手の奥底に眠る正義の心を呼び覚ます…かもしれない。別に呼び覚まさないかもしれないし、逆に怒らせて相手の能力を強化するかもしれない。端的に言うと、泣き落とし。ただ、彼の熱い魂があるからこそ、周りの人間を引き込むことができる才能がある。)
<補足>
"各ヒーロー紹介"
レッド:いつも明るく、皆の士気を高める事が得意。彼も幼い頃の憧れのヒーローを目指してた事もあり、グリーンとの仲は割と良い。技は、何発も拳を叩き込む"マシンガン・ジャブ"と、剣で何度も切りつける"スプラッシュ・スラッシュ"。また、拳や剣は熱を持たせる事ができ、相手を燃やす事ができる。士気が高い程熱が高くなる。
ブルー:冷静沈着で、皆の意志をまとめる事が得意。常に戦略やチームワークを重んじる為、猪突猛進なグリーンに頭を悩ます。技は、手からツララを発射し相手の身体の一部を凍らせ、寒さで体力を奪う"コールドスピア"と、凍らせた部分を爆発させる"アイスボム"を用いて戦う。ツララの槍を作り接近戦をすることもある。
イエロー:食いしん坊キャラ。グリーンとは高校の同級生だったが、クラスにいてもお互いあまり喋らない方だった。エリートであり、彼が先にその実力を認められヒーロー入りした。技は、どんな能力でもコピーをする事ができる能力である。が、自分の尊敬するヒーロー"イノウイエロー"の能力を授かり、新たに能力をコピーをすると前の能力が二度と使えなくなってしまう為、能力は固定されたままである。
ピンク:チームの紅一点。自分の立場を常に意識し、八方美人を演じる。裏は結構怖い。技は、仲間を回復させる能力だが、これは相手のピンクに対する好感度で回復量が変わる。また、メンバー全体の好感度や士気が高い程、彼女の身体能力が上がる。ブラックが少し苦手。
ブラック:途中からメンバー入りした。謎の存在的な立ち位置で自分を売り出している。グリーンは古臭い、声がうるさいといった理由で一方的に嫌っている。実は式こそまだ挙げてないが妻がいて、妻にはとても甘い。技は、パイプから煙を出して敵と、たまにグリーンの周りにまとわりつかせ身体能力を下げる(グリーン側の煙だけ濃くて、カメラ映りが悪くなる)。後、肺ガンになる確率が上がるらしい。煙を弾丸にして遠距離攻撃をする事もできる。肉弾戦もできなくはないし、もしかしたらレッドより強いと噂されるが、今はその時じゃないという理由で前線に出ない。
"敵対勢力について"
組織名:週末怪人 健気軍団ケナゲール
・週末しか現れないという決まりをわざわざ怪人側から提案するぐらい、健気。(ただし、やたらとフェアに乗っ取ろうとし、こっちが不利な条件を出したから、現れる場所については言わないからね!!!という、ある意味ワガママな側面もある)
・怪人は地底に住み、人間社会同様のコミュニティを築いている。
・攻め入ったのは、土地侵略や物資確保の為。
・見た目は戦隊物で出てくるような、怪獣っぽかったり、なんかごつごつしてたり、ちょっと人間みたいな見た目だけど、やっぱり怪人と一目でわかる姿をしている。が、地上の潜伏調査の為、人への擬態能力を持つ。潜伏調査をしすぎて人間側の生活に馴染む怪人さえいる。
・戦闘員が沢山やられ、人員不足になるのではないかと思われるが、彼らの繁殖力は人間の数倍あり、3つ子で生まれる事は珍しくないし、6つ子だって日常茶飯事である。その繁殖力のせいで、資源枯渇や土地の問題が浮上した。
・怪人側は、ヒーローとの戦闘は現実のものであると認識しているが、人間側はあまり知れ渡っていないし、怪人も普段は人に擬態している為、ただの特撮だと思われている。
"グリーンフェアじゃない問題"
・怪人側としては、突如入ってきたグリーンの強さがチート級であり、幹部クラスでも直ぐにやられてしまうことを受け、緊急会議を設けた。
そこで、グリーンが何かドーピングなどを使ってズルをしているかの調査を行う為、彼の経歴を徹底的に調べ上げた。
その結果、如何にグリーンが今まで努力をしてきたのか、友を重んじ日々怠る事なく努力をし合いながら励まし合う健気さ、最近のヒーロー協会のイケメン推しの方針にも関わらず、己の鍛え上げた力だけを信じて上り詰めた過去を知り、その場にいた者全員がスタンディングオベーションをしたという。
結果として、この問題は我ら怪人が鍛え上げることをおろそかにした結果とし、彼の生き様に敬意を讃え、より一層軍の強化に取り組む方針となった。
"グリーンのファンについて"
人間側には一切人気がなく、怪人が可哀想だの、怖いだの、ダサい、イケメンじゃないだのと言われる。(イエローはカレーキャラのため、ニッチなファンがいる)が、怪人側は彼の努力を皆知っている為、グリーンだけ人気がある。実際、グリーンに倒される事は、サインを貰うよりも嬉しい事らしい。
ただ、最近グリーンが手を抜くようになった、前より力が劇的に衰えている、などと噂が飛び交い、実際拳を使わず戦闘を終えることも増えてきた。しかし、他のヒーローは市民を助けるよりもパフォーマンスに専念する中で(パフォーマンス中に攻撃する事はフェアではない為、その間は攻撃を抑える。健気。)、グリーンのみは何よりも先に市民の安全確保を行う姿勢を変えなかった為、その健気さでさらに人気が出た。また、壁や瓦礫などを破壊する時の破壊力は今も健在な為、彼の中で怪人を倒すことに関して、何か葛藤が生まれた結果なのではないかと唱える者もでた。
"戦場に現れた理由"
グリーンが泥酔している状況に鉢合わせた、現地調査の為地上に訪れていた女幹部(大ファン)が、彼の絶望した顔を見て、なんとか助けようと思い、彼を地底にテレポートさせ療養させようと思いたった。だが、余りにも動揺しすぎて手元を狂わせ、間違えてテレポート先を異次元に設定してしまい、戦場に赴く事になってしまった。このように、ケナゲールは、少しおっちょこちょいなのだ。
補足