とある
科学者が作り出した実験生物兵器。
これを危険視した政府により特殊収容所に収容された。
囚人ではないので罪状も懲役年数も存在せず、
他の囚人たちとは違う最奥の特別ブロックに収容されていた。
今回の事態で解放されはしたが、実は収容されていることに特に不満が無かった。
せっかく静かに過ごしていたのに突然上が騒がしくなり、寧ろ相当に辟易している。
容貌は化け物じみているが、その性質は凶悪な犯罪者に比べれば何のことも無い。
XB-00の収容されていた特別ブロックはコントロールルームの管轄外なので、
現在では看守や温和派の者たちを匿うために使われている。
とにかくハルキゲニアは自身の平和な昼寝を守るため
今回の事態を収束させようとしている。
実はハルキゲニアは兵器として開発されたものではない。
そして、元々は人間であった。
ある科学者の娘だったが死を免れぬ状態に陥り、
それをどうにか救うために科学者が取った手段が、
開発段階にあったXB-00の素体として用い生まれ変わらせるというものだった。
XB-00そのものは本来、医療用に開発されたものであるが、
何よりも死を遠ざけるために自己進化能力を付けたせいで、
父親である科学者をも取り込みどんどん進化を行い生物兵器クラスの能力を獲得してしまった経緯がある。
コードネーム「ハルキゲニア」はこの際に獲得した幻覚能力とその容貌から
名づけられた他称であるが、結構気に入っているので使っている。
現在では自我が完全に安定して確立し、無差別に吸収するようなことは無くなっている。
あくまで無差別にはなので必要であれば吸収することはある。
【性格】
非常にマイペース。昼寝が好き。大体寝ている。
半分寝て半分起きているという芸当が出来るのである意味いつも寝ているともいえる。
(流石に戦闘行動中など必要な時は起きている)
ずっとずっと平和に寝て過ごしたいとか思っている。
かなり温厚でいつものんびりおとなしくしている。うるさいのが嫌い。
見てくれはのんびりしているが頭の回転速度や反応はかなり早い。
人を殺すことに躊躇いが無い程に薄情な点を除けば割とまとも。
といっても無駄な殺生をするような質ではない。
今回の騒動では特別ブロックに避難してきた人たちを治療したり、
幻覚でブロックの存在を隠したり、やってきた暴徒を捻り潰したりと、
大方正義の味方っぽいことをしている。
精神を構成する主となる父娘の精神性上、
こういった勧善懲悪的な行動を取ることが多い。
【能力】
:分解再構築:
接触したあらゆるものを分解して再構築する能力。
実際、これが政府に危険視された最大の要因である。
本来はXB-00に最初から搭載されていた医療用の能力。
難しい腫瘍の摘出や、破損した部位を修復する事を可能とする。
例え身体がバラバラになった死体でも全体を分解し再構築することが可能。
現在では無機的なもの、機械製品すら修復する事が可能となっている。
効果範囲は接触した範囲、体内に取り込んだものに対して。
基本は対象を体内に取り込み分解吸収、後にそれを基に再構築する。
分解されたものは完璧に情報が保持されエネルギー的な変化が見られない。
そのため劣化を起こさずに完全な修復を行うことが可能。
いざとなったら仲間を全員吸収して自分の中に格納することも出来る。
この性質上スーパーコンクリートXですら分解するので政府に問題視されている。
一体どんな技術で出来ているのかは開発者(と同化したXB-00)しか知らない。
:自己学習:
周囲のあらゆる情報を取り込み自己を強化する機能。
元々搭載予定でない機能だったが娘を素体にするにあたって付加した機能。
本来生物がもつ学習機能の際限が無くなったようなもの。
入ってくる情報全てが経験となり蓄積され続ける。
ゲーム的に例えるなら常に経験値が上昇し続けている且つ、
経験値の効率が非常に良いというような状態である。
また、機能的な構造を持つ対象(機械なども含む)は取り込む、
あるいはその原理を学習することで自身の肉体で再現が可能になる。
これにより、身体を接続機器に変化させたりして、
情報機器や、ネットワークからデータを取り込み学習することが可能。
最近では頭の中で音楽を流しながら昼寝をするのがマイブーム。
更に、生物を吸収した場合はその意識や記憶をも取り込み同化する。
対象の持っていた能力を再現することも出来るが、
特別な能力を持った生物や能力者などを吸収したことはあまり無い。
:身体変化:
自由に身体を変化させる。
本来は修復作業の際にあらゆる形状、大きさのものに柔軟に対応するためにつけられたもの。
それが現在は自己進化により戦闘機能としての利用が可能になっている。
地を走り、地中を潜り、海を泳ぎ、空を飛ぶ。マグマダイブしても、
極寒の地に放置されても、宇宙空間に放り出されても平気。
環境の変化にはかなり強い。適応力は完璧。
戦闘中は身体を絶えず変化させながら無数の棘状の触手を突出させて、
それを地形に突き立てながら高速で移動する。
因みにこの棘は刺さらなくても移動行動に支障は出ない。
その容姿は基本的には真っ白で、人間と不定形生物を合わせたような姿をしている。
液体にも気体にも変化出来るが、気体から他の形態に変化するには3秒ほどのタイムラグがある。
その他の変化はほとんど一瞬で行うことが出来る。
色も形も自在に変化するので他の物に擬態することも可能。
大体そこら中から触手を生やしており便利。攻撃にも使用可能。
羽やヒレ、ジェットやスクリューを生やすことも出来るが、
無くても飛べるし泳げるので高速で移動する場合以外は使わない。
身体の質量は無限に増加するためサイズなどの制限は特に無い。
基本的に死ぬことは無いが体力が切れると霧散してしまう。
しかし、非常に高い耐久力、持久力を持つので体力が切れることはそうそう無い。
短期決戦も出来るがすべからく長期戦の方が得意。
:知能&精神:
XB-00は肉体だけでなく精神までも集合体のような状態で、、
開発者をはじめとしてあらゆる者たちを取り込んでいるため、
その姿形からは想像も出来ないほど博識で、天才的な思考力を持つ。
だが大体寝ているのでそれが普段生かされることはほとんどない。
戦闘中であれば惜しみなく生かされると思われる。
自己規定のためか物事の考え方や性格などは大体一定で特に変化はしない。
この自己規定で保たれている精神は素体となった娘とその父のものだと思われる。
良くも悪くも精神的な変調がほとんど存在せず傍から見るとマイペースなだけなのだが、
実際は、精神的な影響を一切受けない程に変調を起こさない。
性格的にもその変調の無さや薄情さは少し違和感を感じさせる。
:幻覚能力:
他者の精神に働きかけて幻覚をみせる能力。
能力者の持つ能力などとは違い、純粋な精神力の強大さから来るもの。
ハルキゲニアというコードネームはこの能力から来ている。
能力の強度自体はかなり強いのだが当人に精神的な変調がほとんどないため、
発狂するような心象的な幻覚は使えない。
五感に働きかける幻覚がほとんど。
具体的にはこちらの姿、音、匂いに至るまで認識出来ないようにしたり、
痛みを殺しダメージに気付かせない、五感を狂わせて動きを鈍らせる、
五感そのものを閉じてしまう、といったものがある。
五感そのものを閉じるというのは強力だが抵抗されやすい。
逆に痛みを殺すのは気付かれにくいため抵抗されにくい。
気付かないうちに出血によって倒れる相手もしばしばいる。
:非物理干渉:
特殊な生物を吸収したことにより獲得した能力。
霊的だったりエネルギー的な、とにかく物理干渉を受け付けないものに対して、
普通に干渉出来るようになる。
自身が非物理的なものになっているとかそういうものではなく、
ただ、干渉が出来るだけの能力である。
≪主な利用≫
:棘移動:
棘状の長い突起を突き立てながら高速で移動する。
普段はゆったりとしたペースで活動するハルキゲニアだが、
戦闘中はせわしなく動き続けながら戦う。
その巨体(基本的な体高は3m以上)にもかかわらず
小さな虫の動きをそのまま拡大したかのような異常に早いスピードで動き回る。
特に建物の谷間や壁のある地形だとかなり対応し辛い動きをしてくる。
:触手攻撃:
形成した触手で叩いたり、切ったり、刺したりする。
とにかく触手の数が多く、少なくとも数十本単位で雨あられのように襲い来る。
触手はかなりの高速で振り回され、普通の人間だとあっさり滅裂する。
触手は収束させて攻撃力がを高めることも出来るが手数が減る。
また、刺し攻撃は一見命中率が悪いように思えるが、
木の枝状に分岐して相手の逃げ場を無くしながら攻撃することでこれを補っている。
:触手攻撃+幻覚:
触手攻撃に幻覚を組み合わせて避けづらく致命的にする。
触手の一部が見えなくなったり、軌道がずれて見えたり、ありもしない触手が見えるなど。
実物と混ざってかなり見破りにくい幻覚。
:突出攻撃:
身体から非常に長い棘を突出させて攻撃する。
どんな場所からも生えてきて死角は無い。
というより、基本的にハルキゲニアは不定形なので死角は無い。
本人にそのつもりがあるのかは不明だが大体不意打ちになる。
:締め付け:
触手など身体を適した形状に変化させて対象を捕縛したのち締め付ける。
防御力の高い相手に効果的。
:分裂:
至極単純に分裂して数を増やす。
どれが本体か、では無く全てが本体。
分裂できる数に際限は無い。
:弾丸:
身体の一部を硬質化させて射出する。
身体の質量が無制限な分マシンガンのように掃射も出来る。
威力は量と質のどちらを取るかの塩梅である程度調整が効く。
普通の銃火器以上の威力は最低でもある。
また、撃った先の弾丸が別の形態に変化して襲ってくる可能性もある。
:濁流:
身体を液体に変化させ質量を増加させて相手を押し流す。
空を飛べないと回避するのは難しい。
相手を巻き込んだ状態から他の攻撃に分岐する。
:催眠幻覚:
相手の精神に働きかけて眠らせる。
知能レベルの低い相手の方が良く効く。
「おまえも昼寝だー」
:催眠ガス:
睡眠毒のガスを噴出して相手を眠らせる。
即効性は低いが空間内に充満し、
吸うほどにじわじわと眠くなってくる。
:毒霧:
毒ガスを噴出して空間内に充満させる。
当然のようにハルキゲニア自身には毒だとか放射線の類は全く効かないので大丈夫。
この毒は体内に入ると、激しい苦痛を伴い、麻痺、衰弱、出血などを起こし最終的に死に至る。
また、表皮に触れても焼けるような痛みとともに爛れてボロボロになる。
因みにこの毒に侵されてもXB-00なら治療できる。
:殻形態:
全身をとにかく防御に特化した形に変化させる。
この形態ではあらゆる攻撃を受け付けないが自身も攻撃できない。
:分解:
接触した対象を分解する。
例えどんな物質で構成されていようと分解して吸収してしまう。
吸収したものはまた再構築することが出来る。
:治療:
本来のXB-00の能力の運用方法。
例えバラバラになっても後遺症を一切残さず再構築できる。
基本的に体内に取り込んで行う。
軽度のものならその部位だけ取り込んでも行える。
【イラスト】
あくまで形態の中の一つ。
常にこの姿をしていることは無い。
普段は触手はもっと多い。
最終更新:2014年06月20日 04:51