製作者 | なべ子 |
出場大会 | 第4回【囚人】 |
経歴 | なし |
設定
【人ならざる者。】
名前>ヨツバ
性別>男
年齢>不明(見た目10代前半)
罪状>数え切れない程の人間の記憶を無差別に奪い、
被害者の多くは心神喪失又は脳死状態に陥っていることから、殺人未遂罪。
また静止、逮捕にかかった警察も被害者と同じ状態に陥らせた事により、公務執行妨害罪。
存在自体が『要危険特殊能力者』と認定され、懲役年数は無期懲役とされた。
能力>他者の記憶をジグソーパズルに吸収、保管、活用できる能力。
生前、少年はジグソーパズルが大好きだった。
だが少年は事故により脳死、死してなお生きる者となり、
そして少年の身体は研究者に買われ、特殊な実験を受ける。
実験は『他者の記憶の転送』。
身体の衰えにより逃れられない死に抗おうと、健康で新しい身体に記憶を移し、
それを繰り返すことにより永遠の命を手に入れられると信じていたのだ。
だがそううまくいく筈もなく、実験は平行線、ただ同じ実験を繰り返すだけの日々が続いた。
そんな少年に奇跡が起きた。
例のあの雷のエネルギーが彼に能力を与えたのだ。
いや、正しく言えば、彼の『身体の中』に能力が『生まれたのだ』。
カラッポの身体の中で、能力が活動する。
無いものを補うかのように、能力が意思を持って少年の脳の代わりとなった。
少年の中にわずかに残っていた『ジグソーパズル』への執着と、
淡々と繰り返し受けた記憶転送実験による『記憶』への飢えがこの能力を生んだのだった。
補足>記憶を奪った人間の記憶から言葉を借りて話をするので口調はコロコロ変わる。
記憶ジグソーパズルは紙ではなく、人の記憶(思念)で出来ている。
技>
①フレームエンド(永続能力)
自分の半径2m内に近づく者は強制的に記憶を奪う。
人の記憶は30ピース分に分けられ、一秒につき1ピースの記憶が奪われていく。
これにより、様々な記憶の損失、戦闘能力の低下。
そのまま奪われ続ければ30秒後には記憶ジグソーパズルが完成し、対象は自我を失う。
ただし、パズルが完成する前にヨツバの手元にある奪われたピースを奪い返しこれを回避することが出来る。
②ピーストラップ
ステージ上に無数のピースを出現させ、それに触れた対象者に張り付く。
ピースを攻撃、振り払うとすぐ消滅するが、放置すると対象者の輪郭に沿って組み上がっていき、
関節部分を固めて行動を制限、動けなくさせる。
③ポイントパズル
(3D)立体パズルを1つは自分の近くに、残りの3つを周囲に拡散させる。
移動手段として立体パズルの中に入り込む事ができ、別の立体パズルから出現する事が可能。(他者の侵入は不可)
また、自身だけでなく記憶ジグソーパズルも送り込む事ができる。
④レリーズ
今までに奪ってきた人間達の記憶ジグソーパズルを解放し、その姿を具現化させ対象に攻撃、又は防御が行える。
同時解放できる数は最高で10作品まで。
対象に攻撃を受けると断末魔の叫びをあげてピースが崩れ落ち消滅する。
【解放記憶ジグソーパズル】
○警察・軍人・看守
=近接攻撃・狙撃を行う。
○都民
=悲鳴と絶叫をあげながらヨツバを囲うように守る。
【※対象が無差別・快楽などの殺人者だった場合、役割が反転する】
○警察・軍人・看守
=陣営を張り、ヨツバの護衛・援護を行う。
○都民
=恨み辛みを念仏のように呟き地面から無数の手が伸び対象者を捕まえ押し潰す。
⑤フラッシュバック
フレームエンドで奪った記憶から、対象の最も嫌な記憶を見せる精神的攻撃。
ステージ全体を記憶ジグソーパズルで覆い、その記憶場面を演出する。
弱点>ヨツバ自身は殺傷能力は無い。肉体も普通の人間と変わりがない。
ピースは無数、無限に出現させることが出来るが、
1ピースの殺傷能力は低くく、攻撃を受けると消滅してしまう。
特殊収容所占拠事件への関与>
事件の前に第一脱走者と何かしらの方法でコンタクトを取っていたとされ、
隙をついて一人の看守の記憶ピースを奪い、
コントロールルームへの移動方法、看守達の一日の活動域や行動パターンを第一脱走者に教えたのではないかと噂されている。
事実かどうかは確認されてはいない。
補足
【研究者の記憶パズル】
目が覚めると、白くて四角い箱の中に居た。
入口か出口か分からないソレには、固くて重たそうな金属が囲ってある。
上を見ると隅々にカメラが付いていた。
どうしてこんな所に自分が居るのか分からない。
分からないのは仕方がない。
昨日の事もずっと昔の事も、僕は覚えて『いられない』。
今日の事も明日には忘れちゃってるんだって。『僕』が言ってた。
でも大丈夫。僕には、ジグソーパズルが、有るんだ。
少し前の僕が作った少し前の僕のキオクのジグソーパズルによると、こうだ。
【○月○日。
雷が研究タワーに落ちた。
今日も記憶転送実験を試験体428番に行っていた時だった。
それは一瞬の出来事で、私は運良く私用で外に出ていたために被害を受けずに済んだが、
我が研究員達、そしてスペアとして確保していた試験体もすべて絶命していた。
だが驚くことに、実験を行っていた試験体428番は生命活動を続けていた。
それだけではない。
事故により脳死、植物人間となっていた428番が、自らの足で、立っている。
先ほどの雷による何らかの影響を受けたのではないかと推測する。
こちらからのコンタクトに反応は有り。
いくつか質問をしてみたところ言葉を理解出来ていない様子。
しかし、428番は不思議な力を私に見せた。
何も無い所からジグソーパズルのピースが目の前に現れたと思えば、それは数を増やし、何も描かれていないミルクパズルがパチパチと組み上がっていく。
いや、違う。
ミルクパズルだと思っていたジグソーパズルから何かが浮かび上がってきている。
その何かは、何かを喋っている、語っている。恐怖よりも研究者としての好奇心が勝ち、耳を傾ける。
『悔しい…恨めしい悔しい悔しい悔しい!!!
私は誰よりも優れていた筈なのに!天才と崇められていた筈なのに!
私の研究は人間の記憶をデータ化し、新しい器に入れ込む事で永遠の命を得られる最高の科学技術だった!
その為に器となる健康体の、世に必要とされていないガキ共を買い集めたのに!
なのに、記憶のデータ化はうまくいっても、あと一歩のところで器が適合しない、何故何故何故!!
期待の目は落胆へと変わり、そして無関心となった。
私の体もどんどん老い、蝕まれていく。
こんな筈ではなかった、同期のやつらはどんどん先へいく、私は置いて行かれる、何故何故何故!!
許せない、悔しい、憎い、』
パズルにようやく、その何かが正体を現した。
知っている。これは、これは『私』だ。『私』が私をじっと見つめている。
理解した、理解したぞ私は!
成功したのだ!
これは記憶転送だ!実験は成功したんだ!やっと成功したのだ!
早く、早く、知らせないと!みんなに知らせないと!
•◦ ◾ ◾ ◾ ◾ ◾ ◾ ◾ 知らせる、誰に?
•◦ ◾ ◾ ◾ ◾ ◾ ◾ ◾ 知らせる、何を?
•◦ ◾ ◾ ◾ ◾ ◾ ◾ ◾知らせる、誰ガ?
この目に前にいる男ハ誰だ?
うすら笑みを浮かべテいるこの気味の悪い男は誰ダ?
こレはナんダ?これは?コれは??コレは???コレハ????? ??????????????????????―――――――――。
科学者は動かなくなった。
コレにはもう何も残っていない。全部、僕が貰っちゃったから。
コレが持っていたキオクは、もう僕のキオク。
でも明日には忘れてしまいそうだから、このパズルの中に仕舞っておこうと思う。
明日の僕にこのキオクを見せられるといいな。素敵な僕のジグソーパズルを。】
大丈夫、ちゃんと見れているよ。
今目の前にそのジグソーパズルが存在し、今日までの『僕』が貰ってきたであろうキオクが沢山ある。飽きないほどに。
ああ、まだまだ新しいジグソーパズルが欲しいな。もっと欲しいな。
でもこの箱の中じゃ、新しいキオクを手に入れるのは難しそうだ。
仕方がないから、また『僕』が作ったジグソーパズルを見ていようとしたけれど、
どうやら僕にお客様のようだ。
【ソレ】はこの白くて四角い箱の中に、突然現れた。