黄ネイルの性質と用途


 赤ネイルで使って安定始点を作る方法は理解できたと思います.安定始点ができたら,そこに黄ネイルで板をつなぐことで足場を完成させていきます.ここで生じる疑問としては

  • そもそも黄ネイルの性質は何か
  • なぜ赤ネイルだけで足場をつないでいかないのか

の2点が挙げられるでしょう.これらについて順番に説明していきます.

黄ネイルの性質

 この項でも例によって原理的な話となります.難しいと感じる場合は,次の「黄ネイルの用途」だけ読んでください.
 赤ネイルは物体を空中に固定し,そして物体同士を一体化させる役割がありました.それに対して,黄ネイルはただ物体同士を一体化させる役割だけを持っています.次の例を見てみましょう.板AとBは赤ネイルQにより一体化しており,その一体化した物体の上に2つの赤ネイルPとQがあるために,これらは安定始点となっています.しかし,板CとDではどうでしょうか.板CとDは黄ネイルSにより一体化していますが,その一体化した物体の上には赤ネイルはRの1つしかありません.したがって,板CとDは一体化したまま,赤ネイルRを中心に回転してしまいます.


 また,物体同士を一体化するといっても,赤ネイルのように空中に固定する能力はないので強度が落ちます.つまり,自分自身の重みや,上にネズミがたくさん載ったりするとその重みで垂れ下がることがよくあります.そのため,赤ネイルの性質で既述したように,黄ネイルで何本か接続するごとに赤ネイルで補強することが大切です.

黄ネイルの用途

 赤ネイルは固定能力が非常に優れている一方で,黄ネイルは多少固定が弱いのでした.それならば,赤ネイルだけで足場を作った方が安定しているのではないか,と思われるかもしれません.実際にはその通りなのですが,主に次の2つの理由により,黄ネイルを中心に組み立てた方が良いでしょう.

ネイルを板の端に付けられる

 赤ネイルは板の中央にしか付けられません.一方で,黄ネイルはCキーを複数回押すことで,板の両端にも付けることができます.このことにより,下の例のように赤ネイルでは板の長さの半分しか足場を伸ばせないのに対して,黄ネイルを板の端に付ければ,板の長さ分だけ足場を伸ばすことができ,完成が早くなります.

三重点の回避

 赤ネイルだけでまっすぐな橋を作る場合を見てみましょう.(a)のように組むと板が3枚重なった部分ができてしまいます.このように同じ点に3つの物体が重なっている状態を三重点と呼び,反発しあうために暴れることがあります.もちろん(b)のように角度を変えるなどして三重点が発生しないようにすれば問題ありませんが,(c)のように黄ネイルを使えばまっすぐつないでも三重点はできませんし,何より簡単に長い橋が作れます.

最終更新:2015年08月18日 12:23