赤ネイルの性質と用途


  前ページでは作りたい足場をイメージするということを説明しました.イメージができたならば,次はそのイメージした足場を実際に組む作業に移ることになります.その際に重要な役割を果たすのが,赤ネイルですので,ここでは赤ネイルの性質と用途について詳しく説明します.

赤ネイルの性質

 なお,この項では原理的な話となります.難しいと感じる場合は,次の「赤ネイルの用途」だけ読んでください.そちらさえ読めば,シャーマンとしての基本は押さえられます.
 操作方法のページでも簡単に触れましたが,赤ネイルは長い板,または短い板を選んだあとにBキーを1度押すことで付けることができ,板を空中にピン留めする役割を持ちます.あくまでもピン留めですから,赤ネイルを1つしか持たない板は障害物がない限り自由に回転してしまいます.

 これは壁に画鋲を用いて紙を留めることで例えることができます.1本の画鋲で留めてもブランブランの状態になりいくらでも回転してしまいます.しかし,2本の画鋲を用いて留めれば回転しないことは容易に想像できるでしょう.これと同じように,1本の板に赤ネイルが2つ付いている状態にすると回転しなくなります.

 しかし,この画像のAの板には赤ネイルPとQの2つが付いているので回転しないのは分かるとしても,Bの板には赤ネイルQの1つしか付いていないにもかかわらず,回転しません.これはどういうことでしょうか.実は,赤ネイルでつながれた物体同士は一体化するという効果があります.したがって,板AとBは赤ネイルQにより一体化しており,板AとBを合わせて1つの物体Cになっていると考えられます.その物体Cの上に赤ネイルPとQの2つがあるので物体Cは全体として完全に固定され,回転しないというわけです.
 
赤ネイルの性質をまとめると

  • 物体を空中にピン留めする
  • 物体同士を一体化させる

となります.以下に幾つかの例を挙げます.
 (a-1)は板AとBが一体化して,その上に2つの赤ネイルがあるので完全に固定されています.一方で(a-2)は,板CとDは赤ネイルにより一体化はしていますが,2つの赤ネイルが重なってしまっているため,実質1つしかピン留めがないことになり,一体化したまま回転してしまいます.
 (b-1)は赤ネイル1つで空中にピン留めされた板なので回転します.しかし(b-2)のように,地面に沿わせて召喚した場合,どちらに回転しようにも地面が邪魔になって回転できません.つまり,実質的に赤ネイル1つで完全に固定されたといえます.
 (c-1)は空中を上昇中の風船を赤ネイルで留めたものです.これにより風船と板は一体化しますが,赤ネイルは1つしかないため,一体化した状態で回転します.(c-2)は地面に置かれた箱を赤ネイルで留めたものです.この場合も箱と板は一体化しますが,赤ネイルは1つしかありません.しかし,回転しようにも地面が邪魔になるため回転しません.つまり,この場合も赤ネイル1つで完全に固定されたということになります.それぞれに実際にアンビルを付けた様子も示します.

赤ネイルの用途

 赤ネイルの基本的な用途は主に2つあります.1つは足場作りの始点となる安定始点を作ること,もう1つは揺れる足場を固定して揺れを無くすることです.1つずつ見ていきましょう.

安定始点を作る

 シャーマンになったらまず最初にやることが,安定始点を作ることです.これをしないこともは何も始まらないと考えてください.足場は,赤ネイルや黄ネイルを駆使して板をつなげていくことで作ります.その基礎となる部分がグラグラしたのでは,そこからつなげられた足場もグラグラしてしまいます.安定始点とは,赤ネイルを用いて回転しないように固定された物体をいいます.これには,赤ネイルを2つ使う方法と,1つだけ使う方法があるのでそれぞれ説明します.

赤ネイルを2つ使う方法

 これが最も基本的な固定方法です.下の画像の(a)のように赤ネイル付きの板を1枚出しただけでは,回転してしまいます.しかし(b)のように赤ネイルを少しずらしてもう1本重ねて付けると回転しなくなります.この時,(c)のように赤ネイルを完全に重ねないように注意してください.赤ネイルを重ねてしまうと回転してしまいます.この(b)の方法は重要ですのでよく覚えてください.

赤ネイルを1つだけ使う方法

 平らな地面や壁がある時には,赤ネイル1つだけで安定始点を作ることができるので楽になります.下の(a)は地面に沿わせた場合,(b)は壁に沿わせた場合です.あるいは(c)のように箱を置いてから赤ネイルで固定しても良いです.また,(d)のような特殊な地形においても1つの赤ネイルで安定始点を作ることができます.
 しかし,(a)のように地面に沿わせて召喚するといっても,特に崖付近に召喚する場合は要注意です.(e)の場合は回転せずに安定始点となりますが,(f)では反時計回りに回転してしまいます.このような回転してしまう板は足場の始点には使えないので,必ず回転しないようにしましょう.もし,回転するかしないかの判断ができないのであれば,上記の「赤ネイルを2つ使う方法」を行うようにしましょう.そちらの方が確実です.また,(a)や(b)のように地面や壁に沿わせて出す場合,地面や壁から離れていると多少回転してしまいますし,逆に少しめり込んだところに召喚してしまうと地面からの反発力を受け,その後板が暴れてしまうことがあるので,決してめり込まないように,しかしできるだけ隙間を空けずピッタリと沿わせて召喚するように心がけましょう.

揺れる足場を固定する

  赤ネイルのもう1つの用途は,揺れる足場を固定することです.前述の安定始点を作った後は,そこに黄ネイルで板をつないで足場を作っていくことが基本になりますが,黄ネイルはあくまでも物体同士を接続するものであり,空中に固定する効果はなく,揺れます.たくさんつなげばつなぐほど,揺れも増幅しますし,重みで垂れ下がっていきます.
 下の画像は安定始点に,黄ネイルで長い板を3つつなげた様子を示しています.ここにアンビルを載せると大きくたわむことが分かるでしょう.グラつく足場はラグによるすり抜けでマイスが死んでしまうことがあるなど,危険です.こういうときは,赤ネイルを付けることで空中に固定すれば,揺れはほぼゼロにまで小さくなります.黄ネイルで幾つかつないだ後は,赤ネイルを使って補強するように心がけましょう.

最終更新:2015年08月18日 12:23