これまでのあらすじ



魔法使いの訓練生として港町トルリッカへやってきた「君」は、「四聖賢」の称号を持つ大魔道士ウィズの弟子となる。
ウィズと共に訓練を行っていた「君」は、ある日「零世界」から呼び起こされた魔龍と遭遇する。
魔龍の強大な力に圧倒される「君」とウィズ。かろうじて魔龍を退けるが、ウィズは反動で猫の姿になってしまう。

平和な港町に突如出現した魔龍と「零世界」。人としての姿と魔力を失ってしまった「四聖賢」——
「君」は零世界の謎を解き明かしウィズの元の姿を取り戻すため、修行と冒険の旅に出る。


王宮を中心とした華やかな都・ウィリトナで、「君」はギルドマスターのアレクと出会う。
アレクは、「君」にいくつかの依頼をする。広大な砂漠の調査、異国の商人との取引……一見なんの意味があるのか「君」とウィズにはわからない。

王都での生活にも慣れてきた頃、アレクは「君」を天体観測へと誘う。
その日は「混沌の夜」、魔法使いの詠唱なしに叡智の扉が開かれる日。依頼は全て観測のための準備だった。
神秘的な光景を前に、アレクは自分や「君」が異界からの旅人であることを告げる。

「君」がその自覚を持つことに、きっと何か大きな意味があるはずだと……


王国北方の森の村・ラリドンで「君」はギルドマスター・ロレッタと出会う。
依頼をこなし信頼を得た「君」は、ロレッタが「神託の指輪」の護り手であることを知る。

「神託の指輪」——大森林の最深部、聖域に封じられた強大な魔力を持つ魔道具。
代々の巫女により護られてきた封印はしかし、魔道士ギルド・中央本部より遣わされた魔道士の手により解かれてしまう。

中央本部の魔道士が「アナスタシア」の配下と察したウィズと「君」は、指輪を取り戻そうとする。
魔道士は指輪の力を解き放ち「君」たちと戦うが、異界より現れた腐龍に肉体を喰われ、逝く。

幾度倒そうとも蘇る腐龍に「君」たちは苦戦する。
しかし、巫女の力を解放したロレッタの光が腐龍を滅ぼし、大森林は平穏を取り戻す。

戦いで力を使い果たしたロレッタは、「神託の指輪」——スマラグドを「君」に託す。
中央本部の動きに不信感を抱いたウィズと「君」は、水の都アイヴィアスに住む魔道士「ルシェ」へ会いにいくことにする。

——そして、物語は大きく動き出す……


王国随一の保養地、静かなる湖畔の都アイヴィアス。
「君」とウィズは水都を治めるワダツミ家の次期当主にしてギルドのマスターを務めるルシェと出会い、中央本部の動きを探る。

あるとき、ギルドの依頼により失踪した「ゲルニカ」の兄妹——兄・シオンと妹・リアナを捜索する。
「ゲルニカ」は13年前、魔道都市サイオーンで禁忌の魔道に手を染め、魔道士ギルドに粛清された異民族だ。

捜索の末、「君」は水龍に化けていた使用人の一人、「リアナ」を発見する。
彼女が化けていた水龍は、ルシェの——ワダツミ家の真名の力だ。

「真名」は、存在を世界に定義付ける正しき答え。
ワダツミの真名が何故、リアナに?

疑念の晴れない中、捜索中のもう一人のゲルニカ・シオンがラリドンで神託の指輪を狙っていた四聖賢・アナスタシアの一派であることがわかる。

リアナは兄・シオンを救って欲しい、と「君」に頼む。
兄妹は13年前の事件で肉親を粛清されている。
シオンは魔道士ギルドへの復讐を誓っていたが、リアナは戦いを望まなかった。

リアナからの情報により、湖畔のコテージに潜んでいたシオンを捕らえることに成功する。
尋問の結果、シオンが禁術「真名転成」を操る魔道士であることがわかる。
リアナは彼の「真名転成」によって本来の真名を捨て、ワダツミの真名を得ていたのだ。

しかし、シオンは警備の目をかい潜り脱走してしまう。

数日の後、シオンはルシェを襲撃し、アイヴィアスの湖底に眠る水龍の祠の封印を解く。
水龍の祠には、ワダツミ家の真の力が封じられた神託の指輪【サフィラス】がある。

【サフィラス】の力を解き放ち、真なる水龍の真名を宿したシオン。
死闘の末にシオンを倒し【サフィラス】を取り戻した「君」だったが、リアナの裏切りによって【サフィラス】とラリドンで手に入れた【スマラグド】を奪われてしまう。
リアナの目的は復讐ではなく、神託の指輪を奪うことにあったのだ。

リアナの背後に四聖賢・アナスタシアの影を感じた「君」とウィズは、彼女が潜伏しているという南方のサイオーンを目指すことにする。


ラリドンの【スマラグド】、アイヴィアスの【サフィラス】。
強大な力を持つ二つの<神託の指輪>と指輪を奪っていったゲルニカの少女リアナを追い、君とウィズは魔法学術都市・サイオーンへと足を踏み入れる。
君はギルドマスター・ドゥーガの力を借りながら、指輪と少女の行方を追う。

あるとき、サイオーンの要である魔道塔(グノスタワー)の最高責任者が何者かに拉致される。犯人が黒教旅団であると踏んだドゥーガは、君とウィズに旅団の調査を依頼する。

黒教旅団は13年前、サイオーン周辺の施設で禁術「真名転成」の研究を行っていた組織。
君たちは各研究施設をまわると、ついに旅団のアジトを見つけ出す。

君とウィズは、ドゥーガや魔道士ギルドの部隊と共に、黒教旅団のアジトへと突入する。黒教旅団を仕切っていたのは指輪を奪っていたあの少女――リアナの一派だ。
激戦の末、ついに拉致されていたルナールを見つけ出す。しかしルナールは「罪は、償われなければならない」と言い残すと、君やドゥーガの救出を断りリアナたちと共に姿を消す。

異変は、数日後の深夜に起こる。グノスタワーが「起動」すると同時にサイオーンの街に魔物が大量発生し、無差別に人々を襲撃したのだ。
異変の原因を突き止めるため、君は魔物のはびこるグノスタワーへと突入する。奥ではリアナと黒教旅団、そしてルナールが待ち構えている。

リアナの目的は、グノスタワーの機能を<神託の指輪>によって解放し、ありあまる魔力をもって「真名転成」を行うことにあった。
ルナールは13年前の事件――多くのゲルニカが命を失った――の贖罪として、ゲルニカの血を引くリアナに加担していたのだ。

「真名転成」は成功する。異界へと繋がる巨大な<叡智の扉>が開き、リアナは異形の龍へと姿を変える。
君はかろうじてリアナを倒すが、開かれた<扉>はその場へと残り続ける。

戦いの終わった空間に、四聖賢・アナスタシアが姿を見せる。
影でリアナを手引きしていた彼女の目的は、<叡智の扉>を開き、先に広がる<零世界>を手に入れること。

君とウィズは零世界へと消えていったアナスタシアを追い、<叡智の扉>の向こう側へと踏み入る。
存在を保つことすら難しいその世界で、君はアナスタシアとの決戦に挑む。

四聖賢――師匠・ウィズと同じ階級を持つ強敵を相手に、君は辛くも勝利を収める。
しかし<神託の指輪>の魔力を操るアナスタシアはすぐに力を回復し、君は絶体絶命の窮地に追い込まれる。

君は死を覚悟したが、そのとき――!

    *       *        *

戦いを終え、君とウィズは零世界からクエス=アリエスへと帰還する。
サイオーンでの活躍を伝え聞いたのか、魔道士ギルド・中央本部は君へ招集令状を発する。
ところが君は書状を破り捨て、一介の魔法使いとして生きる道を選択する。

そして――一人と一匹の旅は、まだ、続く。
最終更新:2014年08月04日 16:21