「あ、わっしー……お腹すいちゃったよ~。ぼた餅ない~?」
「いきなりね、そのっち。さっき給食を食べたばかりでしょう」
「うん……そうなんだけどねえ~」
「絵でも描いて気を紛らわせたら?例えば……瀬戸大橋跡地から見える渦潮!」
「お~渦潮~!でも一番書きたいのは人物画~」
「夏凜ちゃんなんてどうかな?かっこ可愛いし、絵になるわ。そのっちは夏凜ちゃんのこと好き?」
「急になに~?もちろん好きだよ~ってなに言わせるのわっしーは、全く~」
「くれぐれも浮気なんてしないでねそのっち。そのっちの一番は誰なんだっけ?」
「結果的に一回は世界を滅ぼしかけた子~」
「これは……強烈なカウンターね。反省してるわ、あまりに自分一人で抱え込みすぎたってさ」
「さもありなん~。でも終わってみれば私たちの身体は戻ってきたわけだし~」
「神樹様には……感謝すべきよね。そのっちに出会えたのは勇者に選ばれたからだもの。総合的に……私は幸せです」
「須美が幸せなら私も幸せだ!えへへ、ミノさんの真似~……似てないよ~どうせ~」
「セルフツッコミしちゃったね、そのっち可愛いぞ」
「それを言うならわっしーの方が可愛いよ~。特にうどんをすするわっしーは可愛かった~」
「たしかスマホの待ち受けにしてたよね、そのっち」
「ちょっとカメラ目線なのが可愛くてね~。ずっと待ち受けだったよ~。浴衣のわっしーも最高だったな~背景は何と言っても満月~!」
「つまり、今の私は可愛くないって?」
「てんで的外れだよわっしー。今が一番可愛いよ~。2年ぶりにわっしーに再会した時は、なんて綺麗になったんだ~と」
「とりあえず褒めておけば良いなんて思ってないかな?」
「なんで信じてくれないの~?落ち込んじゃうよ、さすがに~」
「ニコニコしながら言われても説得力がありませぬ」
「ぬかしたね~!」
「ねんごろに思っているからこその冗談だったのよ。本当に怒っちゃったの?」
「乃木さん家の園子さんは全てお見通しだよ、わっしーの考えは~」
「はあー良かった。そのっちに嫌われちゃったら、失恋の日になってたわ。いわゆる最悪の日」
「畢竟するに、わっしーは私のことが好きってことで大丈夫?」
「普通に考えて、そこは分かってほしいな。ちゃんと言葉や文字に表さなければダメ?ラブレターとかで『そのっちへ――』」
「変なこと聞いてごめんわっしー。分かりきったことだったよね。わっしーが私に……こういう時は何の字って言うんだっけ~?ホ?」
「ホの字で合ってるけど……言わされるのは恥ずかしいわね。ねえそのっち、次の日曜日は暇?」
「まあ、なにも予定はないかな~。もしかしてデートのお誘い~?わぁ~楽しみ~!」
「みんなでどこか行こうと思ってたのだけど、二人きりも良いわね。デートが終わったら、我が家で食卓を囲む?」
「ムール貝が出るなら行こうかな~。あ、でもわっしーの家は和食しか出ないんだった……和食魔神め~」
「目の前に和食があると嬉しいじゃない。……でもそんなに食べたいなら作るわよ、洋食も」
「もしかして、無理してるんだったらはっきり言ってくれていいんだよ~?『洋食は嫌!』」
「やだとは思ってないわ。そのっちと結婚したら洋食も少しは作ろうと思ってたし///食べ終わったら、大河ドラマを見ましょう。『花燃ゆ』」
「ゆっくり過ごそうね~。夜は寝かさないよ~」
「よろしくお願いします///……そろそろ昼休みが終わっちゃうわ」
「わっしー……気は紛れてたけど、やっぱりお腹すいたよ~。食べたいな~、うどん」
「引き分けね、そのっち」
「でも『可愛いぞ』とか『ありませぬ』はわっしーのキャラじゃないよ~」
「そのっちだって『ぬかしたね』とか、いきなりの『ムール貝』は強引だったでしょ」
「どっちも反省点が多かったけど、結構面白かったね~」
「そうね。意外と頭を使わされて、楽しかったわ。それに、日曜日のデートの約束も取り付けることが出来たし」
「あっ///結婚したら洋食も作ってくれるって本当~?」
「……うん///」
最終更新:2016年01月04日 19:36