沈む泥船はゴメンってことさ。力が大きいのと強者であるのはまったく別なんだ



アリヤ√における、真の白い杭(ホワイト・パイル)クラウスの脅威を目撃した上で、血族の捻くれ者・アイザックが告げた一面の「真理」にして、
他ヒロイン√で展開した血族同士の常識、信念が徹底的に破壊されていくこの√の様相を端的に表した発言
「現実の」縛血者の限界を自覚しながらも、直にその躰で三本指(トライフィンガー)の「闘い方(殺り方)」「恐ろしさ」その本質を感じ取り、
夜会の秩序が大きく動揺するニナ√では、夜会の闇を利用し、短期間の内に藍血貴(ブルーブラッド)を複数葬り、全盛期の三本指にも最期の瞬間まで挑み続けたアイザック。

そんな彼が「今回も」と……言葉に出し真顔で、己の生涯最大の転換点を想起せざるを得なかった「強者」。
心に抱える妄執の深さを一定程度認めていた同盟相手(バイロン)の破滅を否応なしに実感させた「別種の怪物」。
この後の物語では、そういった白い杭という人間、その異端性を身近に感じたことのない者から、
容赦なく脱落しており、最終的にはフォギィボトム、北米西部鎖輪は機能をほとんど喪失するという事態に陥っている……

――だが、生き残った者達には、その後更なる理不尽と対峙する運命が待ち受けていたのである。



本編より
「お節介、ねぇ。そういうのじゃないんだが、まあここに来たのは別件だ。さっきのは偶然だよ」

「状況が変わった。あくどいお得意さんと縁切りしてきてな………
どうにも荒れそうだから、トシローに顔合わせようって決めたわけだ」


「沈む泥船はゴメンってことさ。力が大きいの(・・・・・・)()強者であるのはまったく別(・・・・・・・・・・・・)なんだ」

「そこんとこ、あいつは気づいてない。なまじ総体がでかいから方向転換もできないしな」


「はぁ……前々から言ってんでしょ。あたし、あんたのそういう自己完結語り、ややこしくて嫌い」


「………たまたまだった。今回もまたそう(・・)だった。
あれだな、どうにも俺はそういう現場(・・・・・・)によく居合わせるらしい」

「性悪な神様がいるのなら、間違いなく俺の人生にこう(・・)書き込んでやがるはずだ。
デタラメな現実(フィクション)を目撃することしばし』ってな……


「伝説の同族殺し様が驚くほどのショッキング映像を?」


「そうだ。さっきのの師匠────この街に来てんだよ」


「ギャラハッドを殺したのはそいつだ。本物の白木の杭(ホワイトパイル)が此処に紛れ込んでいる」

「ちなみに、当然さっきの女に仕込んだ師匠だけあってあれより強い(・・・・・・)

縛血者(おれら)とも違う別種族だとでも思った方がいいな」




  • まさしくソレなのよな。『力が大きい』けど『強者ではない』のは大部分の藍血貴が実際該当する。まぁ光の奴隷共は殆どが『力が大きい』『強者』ではあるんだが…… -- 名無しさん (2019-01-20 21:16:21)
  • 本気おじさんにあてはまるなこのセリフ。力を強くしすぎた結果、力の入れ物が耐えきれずに自壊したっていう -- 名無しさん (2019-01-20 21:52:35)
  • 力が弱いと狩られる、牙が大きいと敵視される、世渡りが上手いと蝙蝠野郎と言われ、ぼっちだといざという時、助けてくれる人がいない。デメリットばかりじゃ決してないんだろうが、状況と間の悪さって、どうしてもついて回るよね…………。 -- 名無しさん (2019-01-20 22:40:33)
  • ルシードの台詞に近いな。あっちは力が大きくても挑戦する強者になれないって感じだけど -- 名無しさん (2019-01-25 14:30:39)
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最終更新:2021年03月09日 15:42