Before
「貴方に感謝します……トシロー」
「私は、もう駄目だと思った……全てを奪われ、手放してしまったのだと思った……」
「でも……貴方のお陰で、私は公子としての誇りを、勇気を取り戻すことができました」
「トシロー……」
「これから……私の寝室まで送り届けてくれるわね……?」
After
「───え?」
「いえ、けれど……ごめんなさい。ちょっと信じられなかったものだから」
「まさか、あなたからそんな気の利いた台詞が出るとは思わなかったもの。
『俺は無粋者だ』とか言って、さっさと歩いていきそうだったから」
「……君が俺のことをどう見ているか、よく判った」
共通√、叛徒達の手に落ち、彼らの頭となっていた
ケイトリンによってその身を辱められ……誇りを失いかけたニナ。
だが、利害が一致した
バイロンの助力を得たトシローによって、彼女は公子としての決意を思い出し、ギリギリのところで救い出される。
「こ、この形は……ちょっと……良くないわ……」
そのまま、お姫さま抱っこで彼により連れ出されたニナは、
救出の際負った傷が癒えた後、カルパチアへと戻る車に乗り込もうとして────
トシローの手を握りしめ、切ない視線を向けながら、上記の誘いをかけたのだった。
その際、彼の答え(=メタ的には選択肢)の一つとなるのが、この台詞である。
トシロー本人としては、自分は
「求めに応じる余裕」があり、
「最低限の礼節」を弁えて
「主の言葉を無為」にしないためにこの発言をとったとしているが……
ホントの本気で言ってらっしゃいますかトシローさん、鏡か何か持って来ましょうか
それまでの張りつめた空気は緩んで、誘った本人であるニナも思わず目を剥いて驚き、
葛藤と煩悶の絶えない「近しい部下」の珍しい姿に笑みを漏らさずにはいられなかったようである。
※なお、もう一つの答えはニナの予想通り、「すまないが、俺は無粋者のようだ」というものである。
まあどちらの返答を選んでも、トシローさんの心臓の銀の忌呪が発動してその場を離れざるを得なくなるんですけどね
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その後…… |
ニナを主として共に闘う道を選んだ場合、
トシローに自分の身柄を委ね、ニナは ノーマ・ジーンに身を寄せることとなる。
そして、これまで言えなかった言葉を吐き出した二人は、高ぶる感情のまま 12年ぶりに全てを交わし合ったのだが――
お嬢を攻め立て過ぎて、完全にノックアウトしてしまったトシローは、事後羞恥心に悶える彼女からビンタを受ける。
それに対しこの男は……
「俺の求めがどれ程のものか、確かめたかったのではないのか?」
12年前、ニナが俺に言わせたかったはずの言葉。 それを俺は言葉ではなく情熱で伝えたに過ぎないのだが。
――とか言って、吹っ切れたとはいえ、相変わらずの調子だった。
これには、元生徒であったニナも、
「武術の時と同じよ。やり過ぎなの……せっかく私がリードしようと思ったのに」
「本当……不器用なのね、貴方って」
そんな感想を述べずにはいられなかったようである……。
でもこの件に限って言えば、『貴方、強引よ、やめなさい…! やめなさいと言うのに……!』から『嫌……見ないで……』と瞳を潤ませて、屈すると『もう、許して……私の、負けだからぁっ!』などという反応を返す、受け側としてお嬢が優秀過ぎるのも問題だったと思います
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- トシローさんは場を和ませようとして精一杯やって滑ってなんとも言えない空気を作るタイプ それなりに長生きしてるけど偏ってるからなぁ -- 名無しさん (2018-03-23 14:23:56)
- 雰囲気が似ているどこぞの悪鬼な兄さんと似てる気がするな。本人が真面目過ぎる&普段の空気が固すぎるせいで、精一杯頑張った結果が変な方向に滑る感じ。まああっちの武神さんは素でやってるというより、過去のトラウマからヒロインの発言を良い方に解釈しないよう滅茶苦茶必死に自制してる感があるが。 -- 名無しさん (2018-03-24 21:57:18)
最終更新:2020年05月20日 18:40