災禍の魔女たち

ディザスターズ・ウィッチ

『Maggot baits』の用語。ただ“魔女”とも。災禍の雌犬たち(ディザスターズ・ビッチ)とも

なぜこの世に生まれたのか誰も知らない、全員が女性型の超自然的存在
人型の自然災害という意味合いで、個々に対し歴代ハリケーンの名前(女性名)を付けられている。
それぞれ固有の人格と知性を備えているが、総じて子供のように善悪を知らない。
人々を虐殺する者もいるが、人々を守って闘う者もいる。にとっては、災厄であると同時に守り神でもある存在。
また、魔力を補充するために人間の男と交合する。
その恩恵があるため、邪法街の男たちからは恐れられると同時に女神のように神聖視もされている。

高い再生能力不老の肉体を持ち、首を刎ねられない限り死なない。
その戦闘能力は高く、十字砲火や大型爆弾の直撃でも傷一つつかず、“魔女”の攻撃はビルを両断し音速で飛行する航空機さえ容易く撃墜できる。
彼女たちは絶対斥力場という能力を全員が所有している。
物質を引き寄せ固定する万有引力の逆、つまり万象を引き裂き乖離させる斥力の光を戦闘時に纏う。
これがあらゆる通常兵器を弾き、地を砕く剛力を発揮できる“魔女”の力の根源である。
ただし魔力の源である血液を大量に失うと、常人なみの力にまで弱体化してしまう。
(肉体の再生も、頭部と心臓を中心にこの魔力の宿った特別な血液が循環する事で可能となっており、頭部または心臓(あるいは双方同時)の破壊ではなく、頭と心臓の間の血の繋がりを断つ斬首が彼女達を殺せる術となっている)

また、如何なる理由からか……醜悪な蛆虫と同じく、“魔女”たちは邪法街の外へ出ることはできない。


+ “魔女”たちの正体と邪法街での役割
表面上は、超常的な力を持ち、地上の法に縛られぬ悦楽を獲得できる立ち位置にある“魔女”。
その真の正体とは、邪法街……かつて架上市と呼ばれた地で、最悪の下種共により蹂躙され命を落とした二十六人の女たちの魂が転生した存在であり、同時に無名の魔女一部分身と呼ぶべき存在でもある。
より正確には、深淵に接続した真なる魔女が死亡した女性達の魂をその胎内に宿し、
鮮血と共に腹を突き破って「出産」、そのまま急速に成長するに任せ、地上に放ったのが現在の“災禍の魔女”の始まりと言える。
彼女らが妖蛆に対し、本能的な恐怖を感じるのは、過去自分達を犯し殺し尽くした男共がその腐った性質を引き継いだまま転生したものだから。


邪法街の中で、「不運」に遭う事もなければ気ままに暴力と快楽を貪れるように見える“魔女”という存在だが、
実際はその誕生から成長、そして死に至るまで、至門と真の魔女が企んだ謀の中で、絶望を吐き出す部品として管理されている。

まず、前世である女性“二十六”名――Α(アルファ)からΩ(オメガ)の文字の総数、森羅万象全てを構成する根源の力に通じ、数秘術(ゲマトリア)においてはキリスト教の造物主(ヤハウェ)を意味する数字――は、二つの条件の元で選ばれ誘拐されてきた。
一つ……裕福な家庭環境に育ち、人格的に若く善良な娘であること。できれば“神”を信じているくらいに純粋な。
一つ……対象となる娘は、処女であること。
例外はあったものの、最後の一人となる日本人の学生である少女が捕えられ、
龍穴、霊的な力の集まる土地の中で、世界中の国家が絶大な力と財を持つ魔女に屈し、
売り渡された土地――すなわち架上市――に女達は集められ、壮大な魔術の儀式の犠牲に供されていった。

女達が二十六通りの形で貪り喰われた後、上空の魔空間で二十六名分の魂を吸い上げた痛ましい姿の魔女は、
彼女達を“魔女”に転生させると同時に、その魂を繋げ共有する処置を施した。
この意味は、架上市市民ホール内で娘達が上げた苦痛と慟哭の叫びに始まる、
それ以後の、女性の希望から理不尽により転落し生まれる絶望のエネルギーを我が身に回収できるようにするためである。

産み落とされた“魔女”の娘達は、与えられた魔道の力で、生の希望を獲得していくが……
そうした“成長”の過程も至門達には計算済みであり、十分に育ったと見なされた“魔女”は徹底的な狩りの対象になり
力の源たる血を奪われた末、見下していた下劣な男達や妖蛆により、凌辱・損壊に心身を壊される。
そのまま、極上の絶望を吐き出し終えた彼女らは用済みとなり、妖蛆に自分の分身を孕ませられて出産、
最終的には“つぶし”として、外界の人間の欲望を満たす解体ショーを賑わすための道具として処分されるのだ。
生まれた子もまた、記憶も何も真っ新なまま街に放たれ、犯され、また絶望のサイクルを稼働させるために母へ変えられる。
この繰り返される流れこそが、“魔女”の不死のおぞましき真相であった。

作中、邪法街が生まれてからの七年間絶えずこの連鎖は繰り返されている事は間違いなく、
首謀者達の目的から考えてもどれだけの数が、無名の魔女曰く「尊い犠牲」に捧げられたのであろうか……


娘たち(道具)の悲鳴と苦痛を同じく感じながら、偽神(ヤルダバオト)を名乗る魔女は決して自らの道を疑わない。
これこそが、愛を否定する理を流れ出させた(イエス)を引きずり下ろし、自らの愛で人類存在を救う崇高にして最善の道であることを。





  • カトリーヌ…はサイクロンかトルネードだったか -- 名無しさん (2017-07-26 17:05:21)
  • クララジェーン?というのしか聞いたことないな -- 名無しさん (2017-07-26 18:03:19)
  • 名前に元ネタあったんだな… -- 名無しさん (2017-07-26 21:23:51)
  • これって元の人間だった頃の記憶ってあるの? -- 名無しさん (2017-09-24 15:12:25)
  • 記憶はないけど、妖蛆の素材になった男たちに惨殺された時の恐怖は無意識に残ってる -- 名無しさん (2017-09-25 11:42:30)
  • あ、だからあのキモい蛆に勝てないんだね -- 名無しさん (2017-09-25 12:20:16)
  • 勝てないというか嫌悪してるのか -- 名無しさん (2017-09-25 12:26:19)
  • 26人いるんだったっけ確か。でも登場するの8人くらいだよね姿あり。名前だけならカトリーナ? がいたはず。 -- 名無しさん (2017-09-25 12:28:24)
  • 特典小説で新規の何人かの描写と全員分の名前は出ている。カトリーナさんは高飛車笑いのお嬢タイプで二刀カランビット使いだったな -- 名無しさん (2017-09-25 18:14:42)
  • 記憶を保持してるのがサンディぐらいって事は他は皆……(震 -- 名無しさん (2020-01-05 11:14:23)
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最終更新:2021年04月28日 00:32