ここから、一緒に、歩き始めてみよう……

発言者:草笛 切
対象者:緋文字礼


互いの傷を曝け出し、素直な想いを伝え合った二人の男女。
諦観に身を委ね、流され続けてきた女の願いを受け、
過去に選択した黒い裏切りに絶望する男は、誇りも恥も、決意と迷いも、あらゆる矛盾する感情を抱えた上で、今一度の再起を誓った。
そして……二人は溢れる感情のまま、情を交わして行く。


もし―――

……すまない、仮定の話は無しにしよう。互いにバカを晒すことになる。
そうなったら今、心で燃え上がっている炎があっと言う間に消えてしまうよ。

――すまない。やはり僕の方が、一枚も二枚もバカみたいだ……。

いや、バカはワタシだよ。怖くてしょうがない……その仮定の話をするのが。されるのが。答えるのが。考えるのが。

バカをやらかして、ここまで来たし、全てのことは分かっているつもりで刹那で、こうなっている。だから、仮定の話はご法度だ。


もっと早く出逢えていれば――
過去により良い選択が出来ていれば――
もしもこれから先二人が――
行為の中でも、自分達の過去や未知の未来に対する戸惑いや後悔は尽きなかったけれど
それでも、今こうして大切に想う人と、認め合い、補い合い、愛し合う道を彷徨の果てに見つけ出せた事を喜び、
緋文字礼と草笛切は、どこまでも刹那的な快楽に溺れ、素直な愛情をお互いに認め合えていた―――。


やがて、事が終り……心地よい気だるさを感じながら、切は言葉を紡ぐ。

「良かったよ、本当に……」
「キミと、こうやって愛しあえて……これが無かったら少し、寂しいことになっていたかもしれないからね」

そんな自分と似たような不安の念を抱えている切に向かって、
礼は静かに、しかし熱を込めて語りかける。

「変なこと言わないで欲しいな。僕は、これからも切と一緒に歩くんだ。
僕の人生は、これからもっと大きな意味を持つ。それは間違いない」

「あなたと、凌駕のお陰で……僕の人生は、本当に素晴らしいものになったんだ」

そんな好いた男からの言葉に、切は一瞬、気遅れした顔をしながらもすぐに微笑みを取り戻し、こう告げるのであった。

「そうだったな。うん、そうだ……いや、キミに逢えて本当に良かった」

「道に迷っても良かったんだな。共に歩いてくれる仲間がいるなら。
本当にこの道でいいのか尋ねてもいいし、一緒に迷いながら歩いてくれてもいい」

「……忘れていたよ、ワタシは」


そうして、二人は静かに抱擁を交わす――


「ここから、一緒に、歩き始めてみよう……」

「……はい。僕もそうする。一緒に、歩こう」




  • アッシュ ヘリオス「ここから、一緒に、歩き始めてみよう……」 -- 名無しさん (2017-06-24 17:01:09)
  • グランド√でこれに近いことをナギサちゃんとヘリオスさんの二人に言っていたアッシュはやっぱりスケコマシだなって -- 名無しさん (2017-06-24 17:05:02)
  • ↑う~ん。納得できるようなできないような。 -- 名無しさん (2017-06-24 21:20:45)
  • ↑何が? -- 名無しさん (2017-06-25 01:39:53)
  • ↑アッシュ君スケコマシ説。 -- 名無しさん (2017-06-25 10:31:01)
  • スケコマシというか人たらしなのは間違いないな -- 名無しさん (2017-06-25 23:22:18)
  • (前後の流れ見て)不吉な旗びんびんたってる・・・ -- 名無しさん (2020-05-18 10:06:34)
名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年05月18日 10:06