アヤ√、明かされた自身の真実に打ちのめされた
アッシュの境遇を憐れみ、失われた「轢殺の車輪」の再現のため彼を玩弄し続けたギルベルトに対し、
銀悠冥狼が憎悪と憤怒と、鬱陶しさを込めて言い放った言葉。
アヤと結ばれ、穏やかな日常を過ごしながらも、アッシュは再度生まれた自身の身体の不調が消えないことを訝しみ始めた。
そんな中、東部戦線の裏で自己の目的のために密かに蠢いていた
審判者とその
共犯者は、
プラハ城地下に備え付けられた
神星鉄製の玉座を起動させ、
天駆翔ないし蝋翼の“検証作業”を開始したのだった。
膨大な濃度の
星辰体のオーロラの下、原因も分からぬまま、身体の変調を見せる
グレイと、
より重度の自己が砕け散りそうな心身の苦痛に苛まれ始めたアッシュ。
アヤは必死にアッシュに呼びかけ、寄り添い続けるも、彼が感じる喪失の感覚はもはや止められないかに思えた。
しかし、そんな蝋翼に呼びかける者が一人……
「―――しっかりしろよ、色男」
アッシュとアヤの前に、突如としてあのケルベロスが降り立つのだった。
かつてのカレル橋での激突時のように“お互いを今すぐに排除せねばならない”という衝動はすでになく、訪れてしまった蝋翼の“末路”に冥狼は同情と憐憫を寄せる。
その上でアッシュに対し、自己を失いゆく原因となっている本当の過去を取り戻せ、その最初の手伝いぐらいはしてやると意思を伝え、
傍らのアヤに視線を向けながら、アッシュのこれからの道を暗示するが如くーー
「何もかも本当の自分自身が始まるんだ。大切なものを掴み取るために、命を賭けた足掻きもな」
そこに現れた実験の首謀者であるギルベルトとシズルは狂気の眼差しをアッシュに注ぎ、立ち上がって早く実験結果を見せてくれと迫る。
しかし、敗者の嘆きを知る魔星として負け犬を背に庇って、ケルベロスが二人の前に立ちふさがった。
極晃星の研究成果としてのケルベロスを前に、
アッシュの怯えや恐怖など意に介さず、審判者は、興奮のままに真理に餓えた学究の徒の如く矢継ぎ早に冥狼へ向けて質問と持論を発していく。
そんな轢殺された者の悲哀に一瞥もよこさずただ“光”とそれに資するモノにしか興味が無いという態度に対し、
ケルベロスは心底不愉快で、最低であると感じたがために、
「俺が何者かだと? そんなことが知りたくて、こいつを生贄に選んだのか?
壊れた運命をわざわざ拾い上げて再現するため? ふざけるな」
「英雄譚の亡霊め。貴様のような光の亡者に語ることなど何もない」
「おまえの野望は、ここで終りだ――――」
これ以上の会話を交わすことすら厭わしいと前へと進み出て、過去の残影たる自分に対しての憎悪も含めた上で叫ぶ
「滅奏と共に地獄へ墜ちろッ!
かつて滅びた理想なら永遠に墓の下で眠るがいい!」
だが、反粒子の繰り手の溢れんばかりの憎悪を前にしても、光の亡者たる審判者は変わらぬ調子で告げる。
「それはいかんなーーーーすべては“勝利”を掴むために」
「私の歩みは止まらない。あの方が示した未来を、
可能性を、輝きを決して無駄にはしないと誓った。煌めく明日を目指すのだ!」
そんな“あまりにも覚えのあり過ぎる”光景に、
「ああ、そうかい」
銀の冥狼はもはや耐えきれないとばかりに吼えるーー
「うんざりなんだよ、そういうのはなァッーー!」
こうして、冥狼と審判者との戦端は開かれるのだった。
- そういう台詞の出る神経が(ry -- 名無しさん (2017-03-24 10:34:11)
- ここのケルさん頼りになってカッコよかった -- 名無しさん (2017-03-24 11:00:18)
- 全√でナイスな働きをしたケルちゃん。ほんと感謝しかないわ -- 名無しさん (2017-03-24 12:00:05)
- どの√でもアッシュに優しいお義父さんの鑑だったぜ、ケルちゃん。レイン√以外ではもっと敵対するのかと思ってた -- 名無しさん (2017-03-24 12:15:45)
- 年齢的には義兄ちゃんって感じもする。冥王とロリオカンが義父母で -- 名無しさん (2017-03-24 15:23:10)
- ↑発売前はメカ兄さんマークⅡとか言われたしなぁ。頼りになって、一緒に居て気が抜ける感じのダメ人間要素があってと兄貴キャラみたいなとこもあった -- 名無しさん (2017-03-24 15:53:43)
- メインヒロインの父親的ポジで主人公の兄貴キャラみたいな行動を取るケルちゃんマジ万能キャラ -- 名無しさん (2017-03-24 15:56:36)
- 前作主人公が今作主人公の義父ポジで大活躍したのってトリニティが初なんじゃね -- 名無しさん (2017-03-26 00:44:57)
最終更新:2017年07月12日 04:38