鎖輪

ディアスポラ

共同体(コミュニティ)には秩序(モラル)があり、秩序(モラル)(ルール)によって維持される」


『Vermilion -bind of blood-』の用語。
縛血者(ブラインド)、彼らの間にも社会の概念がある。
眷属化した後も、縛血者の多くは社会的動物たる人間としての部分に基軸を置いて生きているためだからだ。
当然と言うべきか、それまでの人生における仕事や家族、知人などと縁を切る事を選択できる者は少ない。
だがその猶予期間は決して永くなく、せいぜいが十数年程度に過ぎない。その理由は縛血者になった時点で時が止まるからであり、人類社会の中で生きられないことを思い知るためである。
人間社会を離れた彼らの多くは、寄る辺を求めて同胞と接触するケースが多い。

生きる糧として必要な人間は都市部に集中する為、縛血者もまた都市部にその多くが集まる。都市には彼らを吸収し保護する「共同体」があり、代償に彼らが守るべき縛血者としてのルールを求められる。
これが鎖輪(ディアスポラ)と呼ばれるコミュニティである。

公子と称される代表者を中心に形成され、それぞれが独立して不可侵を保っている領土を指している。
現在では世界中で大きく12に分けられており、その内訳は「北アメリカ西部」「北アメリカ東部」「メキシコ南米」「日本・東アジア」「東南アジア」「中央アジア」「ロシア圏」「ギリシャ・中近東」「東欧圏東部」「イギリス・東欧圏西部」「アフリカ」「オーストラリア」。

21世紀現在、「鎖輪」は世界の主要都市を中心に、大きな生存圏を確立させるほどに肥大化した。
閉鎖的ローカルコミュニティの多くがそうであるように、例外なく排他的・排外的。新参者や流れ者に対する敷居は高い。
そこでもたらされるルールは「夜会の掟」と呼ばれ、数カ条程度の簡潔な律法により成り立っている。
かつて教会勢力が支配的だった11~14世紀頃、各地で集団的に滅ぼされる眷属が続出した為に定められた。
その内容は私闘や他人の権利の侵害に対する戒め、増やした眷族に対する責任、同族の血を喰らう事の禁止、人間社会への守秘義務などが謳われている。
簡潔であるがゆえに過不足がなく、数百年変わらずに通用している。
これにより、増減の激しかった縛血者の人口数は少しずつ安定を迎えることとなる。



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最終更新:2021年03月14日 02:12