かたや帝国を統べる総統であるヴァルゼライド、かたやそんなヴァルゼライドに反旗を翻した反乱軍の中核を務めるアルバート。
かつて確かな友情と共に祖国を改革するべく共に邁進しながら、道を違えることとなった二人。
そうしてヴァルゼライドは親友を前にして、
己が真意と目的を語りだす。
そのヴァルゼライドの雄々しき言葉に確かにそんな
化け物染みた勝利を背負えるのは目の前の親友だけだと、
認めたうえで、それでもこれだけは譲れないとばかりにアルバートは問いかける
「だがそれを、なぜ自分だけでやることを選んだ。答えろ、クリス」
「お前にとって他人は……俺はッ、志を共にする価値さえない奴だったとでも言うのかよ？」
そんな親友の真実偽りなき友情から搾り出すように吐かれた言葉を受けてもヴァルゼライドは揺るがない。
そのお前の友情こそが俺を勝利から遠ざけるのだとでも言うかのように。
どこまでも雄々しく、自らの在り方を曲げる位ならば集団からの孤立も辞さないという
餓鬼の頃そのままに。
……親友の揺るがぬ在り様を見てアルバートもあらゆる説得を諦めて、それでも譲れないものがあると決心を固める。
そうしたアルバートの様子を見てどれほど
敬意を抱いた相手でも、むしろ
敬意を抱いた相手だからこそ誠意とばかりに揺るがず切り捨てる――
そんな
勝利を背負う雄々しき覇者は珍しく動揺を見せながら親友を止める。
既に
星辰奏者としての戦闘力は奪っている、そんな身体で俺の刃を受ければどうなるかと。
英雄としてではない、彼に残された
ただのクリスとしての人間味を見せながら。だが、それでもアルバートも止まらない
「上等だ、クリス。馬鹿をやらかすダチ一人止められねぇ命なら……今すぐてめぇにくれてやらぁ！」
そうして自分へと掴みかかる無二の親友をヴァルゼライドは斬った。親友の決意に対してこれこそが自分に出来る最大限の誠意だとでも言わんばかりに。決別の言葉と共に
「さらばだ、親友。俺は、お前の屍を越えて行く」
どこまでも孤高の道を歩み続けるように。大切な者を切り捨てた先彼が自らの目的を果たした時に一体
誰が喜ぶのかという矛盾を抱えながらも。
斬り捨てた友すらも覚悟という炎に対する燃料へと変えるが如く覚悟を滾らせて……
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しかし、この後アルバートは結局生を繋ぐこととなる。
───それは自らが敗北した後の事を考えればアルバートが生きていた方が良いと考えた英雄としての判断だったのか。
───それとも僅かにその刃に鈍りが生じたただのクリスとしての親友に対する友情だったのか。
真実は本人だけにしかわからず、残された者にその解釈を委ねて。
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- 涙の一つも零さない。その代わり、決断の刃が刃こぼれしたのか -- 名無しさん (2017-03-04 10:11:19)
- おっちゃん相手だと人間味見せる総統いいよね... -- 名無しさん (2017-03-04 10:14:52)
- チトセルートだと悪の敵になりたいのだ！と言い、総統の英雄としてではない人間としての部分が重点的に描かれているよね -- 名無しさん (2017-03-04 10:15:43)
- 総統ではなくヴァルゼライド個人がでる貴重なシーン。逆襲劇の時といい、こういうシーン見るとほっこりする。光の亡者は「それでこそ」とか言って賞賛しそうだけど -- 名無しさん (2017-03-04 10:20:42)
- ちょっと前の使い捨てスペースシャトルなんだなヴァルゼライド -- 名無しさん (2017-03-04 10:35:43)
- セージみたいに殴り合いでの説得すら出来ないってのが終わってるな… -- 名無しさん (2017-03-04 12:47:18)
- 殴り合いやるには総統強すぎるからね…… -- 名無しさん (2017-03-04 12:48:25)
- ヘリオスもグランドルートでアッシュを焼き尽くしたけど、同時に戦いの螺旋から解放されて欲しいとかナギサと共に過ごして欲しいとかアッシュの幸福を願っていた分まだマシか -- 名無しさん (2017-03-04 12:51:07)
- 総統もおっちゃんの事を思いやって俺の戦いには巻き込んではならないと思っていたんや。おっちゃんはそんなものではなくただ一言「行くぞ」と告げてほしかっただけで -- 名無しさん (2017-03-04 12:59:23)
- 総統の友すら切り捨ててしまうトンチキっぷりと、同時に殺しきれなかった僅かな人間味が両方出ている良いシーンだわ -- 名無しさん (2017-03-04 14:24:09)
- これと同じことをやりたい。 -- 名無しさん (2017-03-04 16:32:28)
- ↑光の奴隷の奴隷が出たぞ！誰か逆襲劇を呼べ！！！ -- 名無しさん (2017-03-04 16:34:08)
- ↑ここに狼さんが来るぞ！誰か天秤を呼べ！ -- 名無しさん (2017-03-04 17:03:22)
- 「なぜ光の使徒が狼如きに処刑されねばならない、おかしいだろうがふざけるなぁ！光の気狂い？ああ、ああ違う違う。本当の我らの光を見るがいい。そして共に明日へといざ――」 -- 名無しさん (2017-03-04 17:06:05)
- また君か、壊れるなぁ… -- 名無しさん (2017-03-04 17:08:38)
- 北欧神話では太陽を食う狼が居るのだから、光のパシリ程度如き容易く食えると思わんかね？それと大和では大神とも呼ばれていたのだから -- 名無しさん (2017-03-04 17:11:41)
- ↑言い切れてないあたり瞬殺されてるわな… -- 名無しさん (2017-04-15 18:56:41)
- 更新履歴のところが「さらばだ、親友。俺は、お前の屍を越えて行く」「ふみふみ、と」になってて爆笑した -- 名無しさん (2017-06-01 22:07:08)
- “勝つ”のは俺だ……っていう感じってゆーか？……ふぅ……あ、ゴメン、電池が一気に切れたかも……後は任せた -- 名無しさん (2018-07-22 11:50:36)
- ↑仕事をしろゴールド。お前の末路は労働だ。 -- 名無しさん (2018-07-22 18:38:28)
- 閣下って本当おっちゃんの事大好きよね さっさと特異点から地上に戻っておっちゃんの店で食事しながら二人で積もる話でもして欲しい -- 名無しさん (2019-07-26 21:18:15)
- どのルートでも殺しきれない辺り、ヘリオスにとってのアッシュみたいに止められる可能性ある唯一の人だったのかもしれないな。でも総統閣下には止まって欲しくないとも思ってしまうジレンマ -- 名無しさん (2020-03-10 21:08:33)
- おっちゃん絡むと英雄になる前の部分が出て良い・・・ -- 名無しさん (2020-05-14 14:28:37)
- 総統閣下の唯一の親友だからね。ギルベルトは光堕ちして最も尊敬している若人に迷惑かけまくったし、カグツチは宿敵だし、アオイは忠義だし。 -- 名無しさん (2020-05-14 14:39:39)
- さらばだ、親友。ーーーーー勝利の先を知るために、創世神話はここにある -- 名無しさん (2020-05-14 15:04:01)
- さらばだ、何故なら俺は逃げるからだ -- 名無しさん (2020-11-05 00:07:27)
最終更新：2020年11月05日 00:07
