審判者との死闘、
追い詰められた敵手は土壇場の覚醒を起こし、急速に出力の向上した星光がアッシュを襲う。
そこに審判者の追撃が迫り、彼の命運はここで尽きるかに思われたのだが……
「アッシュ様!」
その瞬間、アッシュの内の神星鉄から響くアヤの声。
互いを想い合う二人の意思の共鳴は遥か彼方、“向こう側の世界”へと響き渡り―――
『いいさ、今のお前なら悪くない───』
特化した性質、神星鉄の保有。
そして、思いを同じくする他者の存在。
『受け取れ、白騎翔。そしてすべてを終わらせろ』
今、此処に
極晃星への接続は果たされる。
旧世界の神話をなぞるように、冥王の力は今、窮地の白騎翔へと貸し与えられた。
光の奴隷の暴走に終止符を打つため、そして過去の因果に決着をつけるために……
「……ああ、確かに受け取ったッ」
今こそアッシュは、冥狼より授かった異能を荒ぶる光の亡者の星へと撃ち放つ。
彼の生涯ただ一瞬一度だけの―――
冥界賛歌、最大出力ォォォッ―――!
顕現する、星辰体に連なる万象を滅ぼす闇の波動。
暴力的に膨れ上がろうとする闇黒星雲を、
彼自身の星辰光によって掌握、研ぎ澄まされた闇黒の斬撃により敵の星ごと叩き斬った。
……かくて、闇の滅奏は遍く光を打ち破る。
愛する人の為に再起した英雄の奮闘と、その尊さを信じた冥王の助けによって―――