青砥 美汐


『Zero Infinity -Devil of Maxwell-』の登場人物。ヒロインの一人。

凌駕と同じ学年に属する優等生。
高名な政治家の娘という出自、端麗な容貌、優秀な成績といった数々の天賦の要素と本人の才覚により、学園のマドンナとして憧れの視線を集めている。

しかし、家族を襲った悲劇により天涯孤独の身の上となってからは、他人には見せない一面を宿すようになっている。
そのためか人前では温厚な令嬢然として振る舞うが、敵と見なしたものを攻撃する時は徹底して容赦がない。
いわば裏表を使い分ける仮面優等生。その秘密を一端とはいえ凌駕に知られてからは、彼を強く意識しはじめることに。


「やけに素直じゃない。ずっとそうやって頭低くしてなさいよね」


「……一番落ち着ける場所をちょうだい。優しく強い下僕(ナイト)さん?」






身長162cm。8月13日生まれ。O型。

この少女、丁寧な言葉遣いでにこやかに振る舞い、上品で人当たりもよく非の打ち所がない才媛として周囲からは理解され、
物語開始の少し前までは、彼女自身にとってもそれが誇るべき在り方なのだと信じていた。

だが、両親の庇護の下、人と人との間の優しさや誠実さの価値を信じていられた少女の日常は、
尊敬していた父大海が時計機構の影に近づいてしまったことで終わりを告げた。
転落した父親は自殺に追い込まれ、
残された母と娘は信じてきた者達に見放され、どこまでも無思慮な好奇と中傷の的とされ続けた。
それでも悪意に対し健気に耐え、心を病んだ母を支えていた美汐はしかし……
最期にはその愛する母親の迷う手で、何度も刃物を突き立てられる苦しみを受けながら、心中に巻き込まれて命を落としたのだった。

美汐はその後、機構の思惑により心装永久機関の実験体として蘇生させられたが、
目覚めた彼女はすぐさま状況を理解し、施設を制圧。
「タイミングよく」現れたマレーネら反抗勢力と合流し、
理不尽に対する憎しみのエネルギーを、強者である機構との闘いへと振り向けていくこととなる。


「もういい黙れ──てめえは、私が、ブチ殺すッ!!」


そして、生まれたのが、学園という公共の場においては軋轢を少なくし、しかし深く他人に踏み込ませない品行方正の優等生の顔と、
血と暴力の蔓延る闘争の場においては、牙を隠さぬ瞬間殺意湯沸かし機のような攻撃的な顔という二面性を使い分ける少女であった。
それゆえ、後述する理由もあるが、裏も表もなく振る舞い、良くも悪くも他者に遠慮のないジュンを疎ましく感じている。

「弱さとは悪」、「生き残るのは強者のみ」、「他者への優しさや誠実さは裏切られる」
こうした考えに美汐は至ったことで、敵も味方も誰も信じることなく、
優等生の仮面を被りながら、苛烈な言動や暴力を向ける好戦的な性格が形成されている。
だが、そういった態度は、奪われ挫折した敗残者としての怯惰や警戒心に起因するものであり───
作中のギアーズなどといった、強い自我を持つ者達との闘争においては、資質の差で圧倒され、
しかしそれを認められず追い詰められ、一層の危険、無謀な行動に出るという脆さを有してしまっている。


「結局、あの女は馬鹿だったのよ。
格好付けて、いつまでも青臭く憧れて……だから死んだ。言葉にすればたったそれだけ」

「……現実は、いつもこんなものなのよ。そう、いつも」


「だから……どうしてそこで、あんたが感謝の言葉を言うのよ」

「借りを作ったのはこっちでしょうが。いつか必ず返してみせるから、その時になって後悔すればいいわ」

「ありがとう、ありがとうって……そんなことしか言えない奴ほど貧乏クジを引くってことを」




何より、本人は目を逸らしているが、
他者から振り向けられる「優しさ」や「誠実さ」に対し、激しく反発し自らから遠ざけようとするのは、
喪った家族との温かな思い出を捨てきれずそういった人と人との繋がりを欲しているという本音が関係している。
だが、美汐はその事実を受け入れ、再び裏切られ奪われてしまうことを恐れてしまうが故に、弱さを隠し強者たらんと痛々しく吼えている。
結果、彼女は弱さや真っ直ぐな者らを踏み躙る存在への怒りを内面に抱えながらも、過去の傷からそれを認められず、
これ以上の挫折を拒絶するゆえに、守りたかったものを自分の手で傷つけてしまうという悪循環に陥っていると言える。


「正しい事するんなら、それでヘマなんて踏むな………
生かすなよ、私をまた(・・)生かすんじゃねえよ、この馬鹿野郎───ッ!」


「それがどれだけ辛いことか、テメェ本当に分かってんのかッ!!」



彼女もまた、激化する闘争の中で否応なくそういった自身の本音(よわさ)と向き合っていくこととなるが、
そこで大きく鍵となる人物が二人……

一人は、経緯こそ異なるものの、自分に降りかかってきた理不尽な現実に対し、
心に仮面を纏うことで対処し、しかし同時にその仮面に苦しみ続ける女戦士、エリザベータ・イシュトヴァーン
一人は、非日常に放り込まれながら「優しさ」や「未来」等と言った“甘い”言葉を信じ、
過去の無邪気にそれらを信じていた自分を思い出させる少女、万里也ジュン。


「結局、根っこの部分が弱いのよ、青砥美汐って女は。鉄の仮面をつけた振りして、ずっと夢見る少女のまま」

「噛みつかないと立ち向かえなくて、大切なものを見逃してばかり………笑っていいわよ、滑稽な女だって」



+ なお……
あるヒロイン(ご同類)のカウントダウンボイス(4日前)では……

「ちなみに、もう一人の巨乳枠は無視していいからね。
あれは無駄乳、意地っ張り、猫かぶりと、手のつけられない女だから。」



  • ウラヌス系ヒロイン。意味は分かるな? -- 名無しさん (2016-11-03 15:51:09)
  • あそこまで腐ってないから!根っこは悪い奴じゃないから! -- 名無しさん (2016-11-03 15:58:10)
  • でも自分のルートでは、ジュンが自分をか庇って死んじゃって、メンタルぼっろぼろになるんだよね -- 名無しさん (2016-11-03 21:14:47)
  • ウラヌスと違ってもともと普通のお嬢様の精神を必死に取り繕ってるだけだしな -- 名無しさん (2016-11-03 21:19:45)
  • 終わって見ると、凌駕よりジュンに影響されて成長してた気がする -- 名無しさん (2016-11-04 00:51:39)
  • なるほど、だからジュンが死なない場合じゃないと凌駕とは縁がないのか -- 名無しさん (2016-11-04 07:28:47)
  • 男は男同士でホモホモするなら、女は女同士で百合百合すべきだろう -- 名無しさん (2016-11-06 21:29:50)
  • マレーネ√のジュンvs美汐は百合百合しかったな -- 名無しさん (2016-11-06 21:45:46)
  • ホモほど目立たないけど、割と百合描写も多いよねこっちのライン -- 名無しさん (2016-11-06 23:18:10)
  • 百合百合しい(命がけの喧嘩) -- 名無しさん (2016-11-07 06:11:29)
  • ホモも命懸けの喧嘩付き物だし、同性愛は大体血生臭い。トリニティじゃ男と女のガチバトルがメインっぽいけど -- 名無しさん (2016-11-07 10:04:56)
  • 百合的にはアンヌ×ケイトリンが至高、次点でジュン×美汐かな。某キリガクレさんはただのガチレズなのでちょっと違う感じ -- 名無しさん (2016-11-07 10:54:44)
  • カレン×ジュンを押します -- 名無しさん (2016-11-08 13:21:45)
  • チトセ×ミリィとかも良いと思うんだ -- 名無しさん (2016-11-08 15:08:52)
  • 百合かはともかく、ジュンvs美汐はゼロインの中でもかなり名バトルだった -- 名無しさん (2016-11-08 17:36:26)
  • その直後に始まるイヴァンvsネイムレスが熱くて… -- 名無しさん (2016-11-11 23:58:27)
  • 美汐が一番かっこよかった見せ場は自分の√よりエリザベータ√かな。乱丸のヴィマーナ奪取→ネイムレス撃退の決定打に繋がる機転→乱丸へのとどめ刺し→最後身を挺してマレーネを救助とかなりの活躍ぶりだった。 -- 名無しさん (2016-11-12 22:35:12)
  • 温厚な令嬢を被ったチンピラ...と見せかけて、それもペルソナで本質はごく普通の感性を持った女の子って割と倒錯してるな -- 名無しさん (2016-11-13 11:25:20)
  • 結局自力では影装使いこなせる領域に行かなかったのも含めて後天的要素で戦わざるを得なくなっただけの普通の子よね -- 名無しさん (2016-11-13 13:02:03)
  • この子、乱丸ほど割り切れないことが悲劇であり、割り切れないから更生の余地があるんだよな。まあ、この子の精神的問題は素直になれば基本解決するという。 -- 名無しさん (2016-11-16 23:48:35)
  • この娘目当てで買ったんだけど、個別√はどんな感じなんだろうか。今から気になる -- 名無しさん (2016-12-03 17:01:44)
  • 初見の時はカミカゼエクスプローラーを思い出した -- 名無しさん (2017-03-11 02:59:28)
  • 物語中の展開やら、本人の脆さ、儚さやら原因はあったけど、オルフィレウスさんによく精神的に嬲られてる子だったなぁ……という印象が… -- 名無しさん (2017-07-13 19:15:13)
  • 仮にこの子が真理に至れるとしたら内容は「正義はいつか悪に必ず勝つ」なんだろうね。 -- 名無しさん (2017-11-20 14:00:04)
  • 親からまっとうな教えを受けてそれに裏切られるところまではニナと似通ってるけどそこから出会いに恵まれなかったのがニナに輪をかけて不運 -- 名無しさん (2020-01-13 16:04:05)
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最終更新:2021年03月28日 09:16