坂本龍馬



「ワシは、この“賭け”に必ず勝ってみせるぜよ。誰のためでもなか、
ただこのワシの……坂本龍馬ただ一人の勝負がしたいがためじゃ。
世界の全てを向こうに回した、の」



『双血の墓碑銘』の登場人物。
かつては西方雄藩連合にあって、立役者と呼ばれた元土佐藩士であり、物語開始の数か月前、京の商家近江屋にて襲撃され死んだはずの男。
英国グラバー商会によって永きにわたり“鍵”として幽閉されていたに接触……
スミスアンドウェッソン・モデルⅡアーミーを手渡し、“お前はどこにでも行けるし何にでもなれる”という言葉を与え脱走させた張本人。
己自身が世界に仕掛ける一つの勝負として、柩に秘められた力を切札に欧米血族による支配が刻一刻と迫る日本の苦境を打開せんと暗躍する。

柩やその眷族となった隼人に対しては、旧知の仲である勝海舟や、連絡役のジョン万次郎といった協力者を通じてその行動を支えるが、
最初に託した言葉通り、龍馬自身は積極的に鍵となる柩の行動に干渉・助力することはなく、
あえて追っ手や不測の事態が尽きぬ苦境に彼女達を曝し続け、そこから生まれる柩の人としての感情――《心》が育まれる過程を重視している。

彼自身、そうした“流れに任せる”ような己の手法は策士というよりは、“博打打ち”と呼ぶのが相応だろうと語っているがその選択決断の全ては“己がこの勝負に勝つ”という強い覚悟に裏打ちされている。
そして同時に己が定めた“博打”に勝つためならば、他者の心を駒として切り捨てることを躊躇わない恐るべき合理性も坂本龍馬という人物の特徴と言える。

薩摩や長州、グラバー商会といった組織の中で歓心を買いながらも、最終的にはそれらを裏切り、そこから生じた悪意・殺意さえ自らが表舞台から姿を消す為の工作の材料にする……
障害となった同郷の岡田以蔵が、自分に何を求めているのかを的確に見抜き、それを餌として与えてやる事で軽々とその抹殺を果たす……
そして生き残った柩と隼人の関係が深まった頃合いを図っての、箱根での一連の行動など……
人の心の機微に誰よりも通じていながらも、どんなに近しい者の《心》も道具として使い潰す事も厭わない底知れぬ冷徹さは周囲の人物にとって脅威であり、彼の最大の武器なのであろう。


そうした大いなる“博打”の果てに時代が移り変わる中、幕末の亡霊・坂本龍馬が辿る道とは―――




  • 糞眼鏡と戦神館の盲打ちを合体させたみたいなキングオブ傍迷惑 -- 名無しさん (2021-12-07 18:45:47)
  • 天運が無くなり見事に落ちぶれたのって真祖の力を手にした二人からの制裁?それとも役割を果たしたから世界から天運を取り上げられたのどっち? -- 名無しさん (2021-12-07 23:21:08)
  • ↑そもそも真祖の力にそんなことできる効果はないでしょ -- 名無しさん (2021-12-08 14:43:35)
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最終更新:2021年12月08日 14:44