破滅の女神

1249話においてツィツィミトル討伐することで終了したイベント。
破滅の女神とはツィツィミトルのことで間違いないし、ツィツィミトル自体は1245話が初登場ではあるが、イベント自体は狭い意味では闘争の聖地において為されたファルネーゼ家の王女たちに対する儀式での黒い球体発生(1155話)から港町クーリエへと移動する4つの黒い球体全てを封印させる(1249話)までと考えられる。
ツィツィミトル魔神を操っているという長老様の見立てが正しいのであれば、広い意味では一連のアナザースカイ・オンラインの世界の剪定作業全体がイベントとも考えられるものである。ツィツィミトル討伐でイベントはクリアだが、戦いは各地で残っていた。
神々や、旧い時代のドラゴンと神との因縁など色々と関係しているもので、さらには運営の中の管理者なども個人的に手を出していたため、単にゲームのイベントとして良いかは不明。
キースはボーナスポイントに10点、エクストラ評価で15点を得た。

特に闘争の聖地,奈落の牢獄,港町クーリエで大きな動きがあった。他の各地でも襲撃があったが、主にその3箇所での動きを以下に列挙する。

闘争の聖地

ファルネーゼ家の王女たちに対する儀式は第八回闘技大会の四日後に行われることとなった。キースは問答無用で出頭を命じられたが、プレイヤー達にはちゃんと冒険者ギルドを通じた「依頼」としてエリアポータル外での警備が出ていた。(1155話)
1155話で赴くと、多くのNPCドラゴニュートバードマンドワーフミュルミドンバオバブエント,センチネルゴーレム,ドラゴンたちがいた。闘争の聖地の巨大なドームの上には名物長老エルダードラゴンまで出張っていた。
ドーム内の地面と天井には幾重にも魔法円と魔方陣が描かれている。これらは対になっているようで上下に柱の帯のように魔力が連なっているようだ。女教皇シュザンヌ法騎士らが王女を囲み、秩序法典を手に法儀式を行っていた。勿論師匠たちやサビーネの姿もあった。ドームの外のバオバブエント,センチネルゴーレム,ドラゴンたちも結界を張っているらしく、かなり厳重な守りであった。
不思議と魔物が出現することも無く、静かな時間が流れていた。
1156話ではダークエルフの援軍を連れてルグランも合流した。
王女たちから魔人の指輪を取り出し、かわりに魔結晶を融合させて分離自体は成功した。その流れは魔竜化阻止の儀式に近いものだった。
しかし、分離した魔人の指輪を抑えていた結界が歪み、球状星団のような黒い球体が出現、そこからまずはゾディアックシリーズと追従勢力の魔物が出現。その後北欧神話系も続き、ヨルムンガンドの分身がドームを崩壊させた。その後エリアポータルを黒い球体が完全に覆う形となった。どうやら異なる空間と繋がる一方通行の門となっているらしい。
その後淤母陀流神之影,阿夜訶志古泥之影,天之常立神之影,意富斗能地神之影,大斗乃辧神之影,宇摩志阿斯訶備比古遅神之影,ヨルムンガンドの分身,テュポーンの写身,ガイアの影,プルシャの影,ダイダラボッチの影,ユミルの影,共工の影が出現。魔竜やヴィゾーヴニルの影も出現していた。天之御中主神之化身,高御産巣日神之化身,神産巣日神之化身も参加する嫌らしい編成。とりあえずの魔物は片付けたものの、黒い球体自体には手を出すことができないまま、球体は少しずつ東へ移動し始めた。
その戦闘に夢中になったキースはもともと転生煙晶竜の偽装のため追従召喚モンスターの数をごまかす目的だった待宵,キレートパナール,極夜に交換してしまった。
今回の戦いでは転生煙晶竜は何故か名物長老の横を動かず、参加しなかった。問いただしても素直に理由を話すことはなかった。(1157話)
1160話の情報では黒い球体の進路は東北東になっているとのこと。隣のN4E27も含めて魔物は出ないまま。今回の事案の総司令部もサニアの町に設置された。
黒い球体は1164話時点でようやくN4E27に入った。
1175話時点の情報に寄ると、黒い球体はN4E28マップに侵入した所で停止した。港町クーリエ周辺のプレイヤーからの情報ではあと2つの黒い球体が観測され、計3つとなった。

奈落の牢獄

  • 1202話でN4E28北側の球体の封印が為された。と同時に東方海上のこのマップの黒い球体では悪魔、天使、魔竜の襲来があった。封印された北の球体の周辺でも同様の襲撃があったようだが、ドラゴン達にによりすぐに制圧されたらしい。東でもじきに制圧されそうでキースが物足りなさを感じていた所に待ちに待った弥勒菩薩が出現した。供は日光菩薩,薬師如来,月光菩薩,文殊菩薩,釈迦如来,普賢菩薩,観音菩薩,阿弥陀如来,勢至菩薩孔雀明王などの仏像シリーズ。他のプレイヤーはそれぞれ別の場所に跳ばされたが、キースだけは【神殺し】の称号により強制転移を免れて戦闘へ。転生煙晶竜がぶちきれた。3時間を越える熱戦であったが、名持ち竜たちが援軍として到着してしまい、煙晶竜もばれてしまった。ボーナスポイントに12点、エクストラ評価で15点が加点されたがそれ所ではなくドラゴンの軍勢に完全に包囲されてしまった。それでも逃走を図ったが50対1でこれまでのいかなる敵よりも厳重なる結界まで使われ拘束され、N4E28北の黒い球体封印場所まで連行された。(1203話)

+ 弥勒菩薩出現
 弥勒菩薩出現
《汝等の所業、最早無視する訳には行かぬ。ここより去れ!》

 流れるような所作で合掌。
 周囲にいたNPCドラゴン達の姿は見えない。
 ユニオン編成で共有化されていた仮想ウィンドウも全て消えていた。
 眼下には海面、例の黒い球体も見える。
 頭上は大空、変わらず蓮の花が幾つも見えていた。
 正面には弥勒菩薩様。
 仏様とは思えない表情になっている!
 まるで苦虫を潰したような、そんな感じだ。

《何という事だ! 矮小なる者でありながら神殺しだと?》

『いい機会じゃ! 救世主を騙る痴れ者め、我の真の怒りを知るがいい!』

 転生煙晶竜の雰囲気が激変する。

 …3時間後

《愚かな。汝等の為す事など無意味であろうに》

 弥勒菩薩様の全身は酷い様相になっていた。
 あちこちが焼け爛れているかのようであり、一部は炭化している。
 片腕は無く、胴体も穴だらけで頭部も半壊状態だ!
 まあ頭部に関しては半分はオレがやったんだけどね。
 これでもまだ喋るだけの余裕があるのか?

《痴れ者達よ、汝等に世界の真理に辿り着く事は叶わぬ》
『囀るな、この偽善者が!』

 転生煙晶竜が怒りと共に放ったのは?
 全身に奔る赤い筋の中から幾条もの光が伸びてゆく。
 それは蛇行しながら凄まじい速度で弥勒菩薩様の全身を貫いた!
 弥勒菩薩様の全身が分解されて行くかのようだ。
 アッサリとその巨躯が消えてしまっていた!

+ 容疑者確保
 容疑者確保
『ええい! 多少の無礼は構わぬ! 翼を押さえろ! 我は頭をやる!』
『ハッ! しかし宜しいので?』
『非礼の詫びであれば我が一切を引き受ける! 構わぬ、やれ!』
『金紅竜、黒曜竜! 結界を敷け!』
『ハッ! しかし無礼が過ぎませんか?』
『やるのだ! 我のみでは煙晶竜殿を抑えられるとは思えぬ! 全力で我共々、封じよ!』
『煙晶竜殿! 何故に抵抗なさいますか!』
『放っておけ! 儂は自由気ままに生きたいだけじゃ!』
『それは存分になさるが良いのです! その前に我等にご教示して頂けねば困るのです!』
『それが、嫌なんじゃ!』
『黒曜竜、準備はいいか?』
『応ッ!』

 転生煙晶竜の周囲に魔方陣と魔法円、しかも立体的に構成されている?
 しかも最外縁は球体か!
 無論、紫晶竜も一緒だ。
 水晶竜と翡翠竜もです。
 中にいるドラゴン達の動きが一気に遅くなる。
 一体、何をした?
 翠玉竜が魔方陣と魔法円の球体に着地、蔦の束と化した翼を撃ち込んだ?
 球体の中が蔦で満たされて行く。
 これは拘束の為だろう。
 絶対に逃がさない。
 その執念が感じ取れる。

『金紅竜! 黒曜竜! このまま結界を維持せよ!』
『『ハッ!』』
『蒼玉竜、柘榴竜、白金竜はこのまま我等を運搬せよ! 手間であろうが、やるのだ!』
『『『承知!』』』
『翠玉竜、そのまま拘束を厳重にせよ!』
『しかしこれでは紫晶竜殿も!』
『構わぬ。それよりもだ、確実に煙晶竜殿を抑えよ!』

 既に球体の中は蔦で満たされ尽くしている。
 いや、その蔦も一部がズタズタになっているのも見えた。
 中でまだ転生煙晶竜も大いに暴れているようだな。
 この状況下でまだ観念しないとは、見上げたものだ!
 いや、見苦しい?

『ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ! 離せぇぇぇぇぇぇぇっ!』
『失礼!』
『水晶竜?』
『ハッ! 尻尾は抑えました!』
『翡翠竜、どうだ?』
『左の翼は使えない筈です!』
『そのまま離すでない!』
『『ハッ!』』
『やめろぉ! お主等、ぶっとばすぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!』

 紫晶竜の指示で的確に拘束を進める一方で、転生煙晶竜の言動が痛い。
 何なの、この差は?
 唯の駄々っ子みたいだな、と思った事は何度かあった。
 やっぱり唯の駄々っ子だ。

『念を入れよ! 眷族達にも体の各所を封じさせるのだ!』
『『『『『『了解!』』』』』』

 降下して行く球体は三重の結界が敷かれていた。
 金紅竜と黒曜竜が更に2つ、重ね掛けするという念の入れようです。
 その結界の内部は完全に蔦で埋め尽くされ、中にいる4体ものドラゴンの姿は見えない。
 会話も途絶えていた。
 転生煙晶竜の子供のような怨嗟の叫びも聞こえて来ない。
 代わりに唸り声が聞こえている。
 たまに美味い物でも喰わせろと呟いていたけどさ。
 警察の事情聴取でもカツ丼は自腹を切らないと食べられないと聞く。
 贅沢な事を言っている状況じゃないでしょうに!


  • 1231話の情報では残り1つとなった黒い球体はじりじりと西への移動を開始したとのこと。

港町クーリエ

  • 1175話でキースからS1W15での出来事がフィーナに伝えられ、それまでに観測された3つの黒い球体により町が消滅する可能性が出てきた。NPCN4E28の西に入った所で停止した黒い球体1つについては封印の準備をしていたが、防ぎきれない可能性が出てきたことにより生産職は拠点を聖霊城に移すことにした。
  • キースは唯一黒い球体が発見されていない東側の海中を探索することとなったが、転生煙晶竜S1W15への警戒のためか参加せず海魔の島に残ることになった。海中は出現モンスターがかなり強化されている印象だった。しかし東側以外の方向には出現しておらずかなり偏った分布になっていた。キースの探索によりN4E29の東側に4つめの黒い球体があることが判明した。
  • まずは闘争の聖地から追跡している西側の黒い球体を封印することにしたことがキースに伝えられた。(1185話)
  • 黒い球体の虚無の性質と邪結晶の虚無の性質を、錬金術の秘術を併用して溜め込んだ力を反転させることで相克させて封印する計画は無事成功し、西側の黒い球体は消滅した。その痕跡から魔神へと到る手がかりを探ろうとしたが、直後に港町クーリエに巨神が出現した。キースはドラゴン達を出し抜くため黙って急行した。あまりにうれしかったのかグリーンハウス・エフェクトアイス・エイジを混ぜた呪文融合など狂気の沙汰をかいまみせた。(1187話)しかし続々とプレイヤーが参戦し、後半にはドラゴンたちも到着してしまったため、最後には凡戦となってしまった。戦いによって港町クーリエは壊滅し、エリアポータル機能を失った。人魂の有無すら不明。一方で東側の黒い球体からもギリシャ神話関連のモンスターが出現していた。(1188話)

+ 主な出現モンスター


+ 1248話の戦闘
  • 1248話の戦闘
『まつろわぬ者達よ、聞け。我は歌う。我は語る。滅びそのものを!』
『何だ?』
『破滅をもたらす女神め! 何を連れて来た?』
『語るに及ばぬ、その目で確かめるがいい!』
『魔神の助勢を得たか。女神よ、何を引き換えにしたか?』
『賢きドラゴンよ、汝も知り得ぬ領域があるのだと知るがいい』
『語るに及ばず、かな?』
『キースよ、あの女神はお前さんがやれ!』
「ええ!」
『神殺しよ、汝の存在もまたここで終焉を迎えるのだ!』
「そうかい!」 
「ッ?」

 全身に戦慄、巨大な何かに殴られたかのような感触!
 遠近感が、おかしい。
 より近くにいるのは転生煙晶竜、なのに長老様の姿の方が大きいぞ?
 長老様の全身が膨張でもしているのか?
 しかも全身にヒビ割れが生じているかのよう。
 同じだ。
 転生煙晶竜と同じく、これが長老様の本気モードなのか?
 全身に青い筋が奔っています!

『何?』
『破壊の女神よ。汝もまた知り得ぬ領域があったようだな!』
『儂もまた神殺し。その意味を今、知るがいい!』
『女神よ、どうやら最初から魔神に与していたな?』

 ツィツィミトルは仮面を被っているから表情は全く読めない。
 アリョーシャの目で見ると、全身が震えているぞ?

『いや、魔神共をも使役していたのやも知れぬな。だがどちらであっても儂にはどうでもいい』
『ここで滅びよ。再び辺獄で失う何かが残っていれば再会も出来よう!』
『『ッ!』』

 ツィツィミトルの背後に跳ぶ。

「シャァァァァァァァァァァーーーーーーッ!」
『何ッ?』

 戦いはいつのまにか須佐之男命との獣の争いに。

『ガッ!』
『ケェェェェェェェェェェェェーーーーーッ!』
「フッ!」
『シャ!』
『シャァァァァァァァーーーーーッ!』
「ハハハッ!」
「クフッ!」
『グッ?』
「ハッ!」
「ッ!」
『ケェェェェーーーーーッ!』

『キースさん!』
『本当に支援しなくていいんですか?』
「か、構うな! 周囲の掃討を続けてくれ!」
『小さき者よ、来たぞ!』
『邪魔者を掃討せよ!』
「お、お構いなく!」

『シャッ!』
「ッ!」

『キースの周囲を固めよ! ここを起点に敵を排除する!』
『『『『『『ハッ!』』』』』』

「フーーーーーーーーーーーッ!」
「キィャァァァァァァァァァァァッーーーーーーーーー!」
『ガァァァァァァァァァァァァッーーーーーーーーー!』

『随分とまあ、無茶な奴じゃのう。誰の手も借りようとせん所は特に無茶が過ぎる!』
『人の身で神殺しともなれば普通ではいられんのじゃろ』
『神殺しのドラゴンがそれを言うか?』
『儂は元々、普通のドラゴンじゃったぞ? 普通でなくなったのは誰のせいかのう』
 転生煙晶竜とエルダードラゴンの長老様がオレの目の前で言い合いを始めたぞ?
『長老様?』
『む?』
『今の言葉、聞き捨てなりませんぞ!』
『確かに。だが金紅竜よ、今は待て。まだ終わっておらぬようだ』

《イベント『破滅の女神』をクリアしました!》
《ボーナスポイントに10点、エクストラ評価で15点が加点され、ボーナスポイントは合計48点になりました!》

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最終更新:2022年10月16日 20:30