ジャン=マリー・クロワザール


■性別
無性

■学年
3年生

■所持武器
直径1.5mのビスケット

■ステータス
攻撃:0/防御:9/体力:9/精神:6/FS(割算):6


ポケット・ビスカッセ


発動率80% 成功率100%

効果:対象のステータスの1/3を取った分身を召喚(体力は全回復、バステは引き継がない)
範囲+対象:同マス味方一人(自分を含む)
持続時間:3ターン

制約なし

能力原理

その人は自分自身を知らない。
知る理由がないし、これまでの自分なんて意味のないことだと知っているからだ。その人の望みは自分が今まで生きていた過去にあるし、そこまで歩いてきた遊びの部分こそが尊いのだと信じているのだ。
あえて言うなら後先なく前に進むための借金返済というべきか、金は時なり。時は命だ。

え、いらないのは過去、未来、どっち?
歳を取るのが嫌だ。死ぬのも嫌だけど、未来を失っていくのが嫌だ。考えなしの子どもだったけど、根拠なしの希望に満ちたあの頃を何度でも味わいたい。
そのためなら私なんていらない。え、私って誰? ここにいるのはあなたじゃない。

認識を他者に強制することが魔人能力の定義なら、彼女は自分自身を他者と定義する。そして、その時能力は発動する。
他人になら同意を必要とする。身の内に入り込んだものは喜んで受けるだろう。
ビスケットはお気に入りの歌と短編を見てスキになった。いつどこで気に入ったかは手元に残していないが、そういうものだということはずっと手放さずに置いている。

なぜかって? 割ったビスケットは三分の一、常にそう決めているからだ。
ビスケットは自分で焼いた。大した意味はないが、捨てるには丁度いいサイズな気がしたからだ。ビスケットは悪者(ワルモノ)だから、自分で食べたことは今まで一度もない。


キャラクター説明

思春期が生んだ騙し絵(エッシャー)を自称する正体不明の魔人。
黒髪黒目、高くも低くもない鼻から頬にかけての骨格、ほっそりとした手足と揺らいでいるような輪郭を持つ。一見平凡に見せて浮世離れした美、絵画のような印象を与える麗人である。
181.2cm、72.0kg。

もしくはとっくに正体なんてものは失ってしまったのかもしれない。
本名は不明。だが、今の名前は義理の両親に付けてもらったもので国籍はフランス。
今の姿は望んで近づいていったものであり、性別を持たないなりにも極めてその肉体は女性的である。それでも「純度100パーセントでないと水ではないの」と言った通り、その頑ななまでの認めなさは潔癖症ゆえなのかもしれない。

モラトリアムを繰り返すことを権利づけられた義務行使者であると自分を定義づけており、大凡50年間学生生活を送ってきた。
ただ、そこでその人が学び取ったことはさして多くなく、むしろ投げ捨ててきたものの方が多い。

求められるままに能力を使っては一方に感謝され、もう一方には憎まれる。
ある時は権力者の懐に潜り込み、一方では温かい家庭の下に助けを求め、その中で日々の糧を得つつ、去り際には世話になった彼らを変成することによって常に破綻させてきた。
そんなこの人が希望崎に辿り着いたのも自分が捨ててきたものから逃げ出してきたのなら当然かもしれない。

時間という言葉に強く惹かれてか、集った「暦」外部協力者の一人。
常の覇気の無く執着心を持たない態度からはかけ離れたように一貫して「暦」の部長を崇拝しているが、その能力によって古くから関わっているはずなのに対人間の独特の距離感や性格を嫌気されたのか部に加わったことは一度もない。
対人関係の極端な希薄さと意思を表に出さない表面上の物腰によって周囲から空気と見なされ、本来関わるはずのなかったハルマゲドンと言う危地に自らを置いたのは見捨てられることへの焦りとも何らかの将来への布石とも言われるが、その真意は不明である。

武器のビスケットは丹念込めて手ずから焼いたもの。
表層を何層にも渡りクリームとブリュレでコーティングされ、砂糖の甘ったるい香りとぬめるような感触をもって鋼板並の重量と硬度を誇りながら、粘つく感触を恐れて敵はなかなか手を出せない。
全身を隠すほどに巨大なソレは食用ではないため、身を守り敵の首を狩るためには十分な鋭角さを持つ長大な盾である。
しかし、割るのは簡単である。
最終更新:2014年07月20日 16:26