シャルル5世(仏・ヴァロア朝)


英仏百年戦争の前半期のフランス王太子→フランス王。
王太子時代から名代として働かなきゃならなかったみたいな人なんだよね。

同時代人はイギリスのエドワード黒太子ですヾ(*´∀`*)ノ
父ちゃん王がこの黒太子にとっ捕まって国を傾けるほどの身代金が要求されたので、最終的にそれを蹴った、みたいな人なのでちょっと知名度なんかは低いかもしれません(小説に出てきても地味だわネクラだわオタク気質だわ)(でも柔軟で優しかった)。
(どこぞの超有名学校の学長に気に入られてたっていうガチインテリ。)

ただ、ル・サージュ≪賢明王≫って名前の通り評価は高いんだよ全体的に。

現在のパリの基盤を作った人だと言われています。
首都パリとフランスの関係ってのも結構これが複雑なんだけど、「シテ島メイン」でしかなかったパリがどんどんと外周に拡張していくことになったのはこの人の時代に起因しています。まあ、それ以前にもぼこぼこ溢れてくるようなことになっていた時代だったんで、なんらかの形でその整理は必要ではあったんだけどね。

パリが妙に防御力がない外縁が曖昧で拡張してく都市になったのってこの人のそもそもの計画なのよね。

が、よく思い出して下さい、この時期にフランス王家はイングランド王家との「英仏百年戦争」の真っ最中。
後半はフランス国内の内戦なんですが、前半は実際にフランスの王位争いだったわけです。
その時代になぜに中洲に存在してた自然防御力MAXのパリを川の向こうにくるくると右渦巻き型(もっとも自然に拡張していく形です)に作り直すかっていう…。
パリの本とこのシャルル5世に関しての本が別なので、解説されてないんですが、パリの本を見れば普通に時期書いてあるかと思います。でも本当になんでやねんこれ。
しかし結局このおかげで世界のパリと言われるまでの都市になりました。
というか、戦になると真っ先に掻っ攫われて敵の支配下で過ごし、反撃が始まるとまた最初に取り戻される都市としての歴史を繰り返すことになりました。でもまあ防御力がなさすぎて抵抗がろくにされなくて壊れないんだけどね!!

市民議会の前身みたいな機関を優遇したり、民間からの臣下の登用をしたり。
賢いんだけどちょっと世代が飛びすぎてて続かなかったのが惜しいよね…君が近代に生まれてれば最高。
あと従姉妹と結婚したせいなのか息子のシャルル6世がちょっとおかしくなってしまいまして。
孫のシャルル7世の時に「父王の子ではない」と言われて起こった内戦が英仏百年戦争の後半戦だよー。
(ジャンヌ・ダルクに救われた王がこのシャルル7世だよ、フランスを救ったかどうかは異論があっても、この王が王位に付いたのは確実に彼女のおかげだよ、経緯見ても。)

ところでシェイクスピアが「少し書いた」と言われてる『エドワード3世』で親類のエドワード黒太子が死ぬかもしれない戦力差で攻められる時に半泣きになりながら「逃げて下さああい。・゚(゜´Д`゜)゚・。」とやたら必死になっていた設定なのはなんでなんだろう、なんとなくここシェイクスピアさんが書いた気がするんだ。
当時は騎士道文化の末期で、まだ戦の前後に戦争してる同士が終わったあと酒飲んでたんだけどな。

ていうか騎士道文化に幕を引いたのエドワード黒太子だよねマジで。
最終更新:2014年08月19日 16:28