雑記:文アルとか近代芸術、115


4月13日めも。


リアルタイム8月26日、手元がなんとなく暗いです、この一ページ前の雑記のなんとなくの続きで文アルの登場キャラクタの続き、【吉川英治】さん。
ところで時代小説に関しては彼一人しかいないんですけども。
どうもあんまり同ジャンルの人とのお付き合いみたいなものがあるわけではないっぽい、もともと講談社系の作家さんだったのに? と不思議だったこともあったんですが、彼の出身となったのは川柳結社の一つらしく。
その川柳結社の人が書いた本において吉川さんが川柳の素人であるという見解には怒ってしかるべき誤りのようなんですが、「川柳結社に属していた」ということそのものが全く知られていなくてもそれはあまり気にならないようでした…。
すみません、その川柳結社の伝手であちこちとご縁があるので出来れば広めて下さったほうがありがたいんですけども…。
一度新聞社にいたことがあるのも、ここの川柳結社の人たちがやっていた新聞社に所属したためのようです、身内の扱いなのでなんか曖昧みたいなんだよね。
(親鸞に関しての作品を書いたとか、有島武郎さんにインタビューしたなどの話で出てくる新聞社、なんだっけあれ、東京毎夕新聞だっけか…合ってた、同名で関係がなさそうな新聞社がもう一つあるので混ぜるな危険。)

で、どうも日本で一番売れたシリーズが『宮本武蔵』らしく、戦後の納税ランキングはかなりの勢いで独占なのでそこのところをよろしくお願いします。
ところで彼を新潮社に誘ったのは誰なのか菊池さんではないのか、前から謎なので見掛けたらご一報下さい、マジで謎なんだなんのために謎なのか。


4月14日めも。


文アルの登場キャラクタについてゲームほとんど出てこないけど、今の時点でゲーム以外で一日分くらい語れる人だからで進むとわかんないよ、の感じで続けております、吉川さんに続いて乱歩さんにしようかなと思ったけど「売れる」で思い出したので【夏目漱石】さんで。
誰もが認める、海外基準であるところの稼いだ作家のことよ、のルールもクリアし、人格面に関してもそこそこ、奥さんに手を上げたこともあるという話も、どうも喧嘩の中で手が出たことがある、という話であって現代みたいなDV夫とはまた違うんだよねー、蘆花以外、と言われていたので安心したけど蘆花さんはなんでそんなさらっとdisられたのかされても仕方なさそうな所業ではあったけどすみません、な「文豪」漱石さん。

しかして、ご当人の感覚だともっとお金欲しかったようですし。
家族関係は至極最悪だったようです、なんかおかしなことを思い込んで暴走するので家の中では恐怖の対象だった、というのがこう、なんとも、あの。
あとあれ、日本文学の本だと「吾輩は猫である」が常に『猫』って略されてて専門外の本を読まないと正式名称が見れないのはどうなんだと思わないでもないものの、あれが日本で一番売れた単体の本かもしれない、とのことなのでまあいっか!
ところでどうもこの人は研究本が多いわりに頷けないことが多く、なんだろうこの違和感、としばらく思っていたんですが、女性研究者や女性の親族の本を読んで納得、漱石さんってロマンス小説好きなんだね?
あれです、最愛の作家がジェーン・オースティンだって、弟子にも勧めてたらしく、なんだよ剥き出しじゃねぇかよ?! と思うんだけどなんで認めないの男性研究者。


4月15日めも。


えーと、次どうしよ、あんまり知らないけど【正岡子規】さんで。
とはいえ、この人よく見掛けるんですよね、多分一番意外なの海軍の本じゃないかしら、まあ知ってる人は知ってると思うけどなんか海軍の…なに兄弟だっけああそう、秋山兄弟の…弟のほうだっけ? が幼馴染らしく。
ドラマがあったよね、司馬遼太郎さんのなんか。
あとあれ、戦争を金儲けの手段的な日記を書いてらしたんで「ああ日本人…」となった最初の人だったんだけどね、うん、私の日本の歴史裏面のファーストコンタクトは子規さんだった(ざっくり言うと歴史はろくでもない系情報にはレベル上がらないとコンタクト出来ないようになってる、その中でもあんまり厳重には守ってなさそうなのが日記なので裏面見たい時は日記が手軽でお勧めー)。
ただまあ、日清・日露くらいまでの時代はしゃあない面もあるので。
だって普通に考えて、戦争って自国利益のためにするじゃない、なんでか現代人忘れてるけど、その原則に忠実だったってだけのことなんだよね。

いやいやさすがに脱線。
ところで人間関係が本によって激しく制限されているので、漱石さんの本だと秋山兄弟出てこないし、ものによっては漱石さんの存在ごと消されてることもあるし。
経済的に養われていたことがあるレベルの関係はあんまり消さないで欲しいんだけどなぁ!!(漱石さんが子規さんのことを養ってた、どういう、どういう関係って表現すればいいのかしらこれ! て意味で略した場合は仕方ない気がするレベル
窓ガラスも確か支援されて貰ってました当時超絶高級品、誰だっけあれも。


4月16日めも。


えーと、一応漱石さんと同世代ってことになるのかな、【森鴎外】さん。
漱石さんはなにぶんにも本職が他にあるので小説家としては自然主義なんかと同じくらいで(しかしたったの4歳差なんだけどねー)、鴎外さんの場合は自伝的小説である『舞姫』以外を書き始めたのは漱石さんよりもあとらしく。
なんか花袋の『蒲団』が契機って言われてたんだけど、そうなん?
私が見たきっかけは漱石さんで、個人的にはこっちのほうが自然だと思ったんだけどね、なんというか漱石さんの主戦場は新聞で、新聞はアウトオブ眼中な人たちが結構いるのでその辺のところが実際どうなのかはちょっと不明。
(とりあえず、鴎外さんは媒体がなんでも読むみたい、学生の作った同人誌の創刊号ですら親切に雑誌に書評を書いてくれてるのを見て子牛と「えらい」「うわすごい」となりました、珍しいんだよそういう人!!<鴎外記念館にて)

私がちょくちょく見るのは漱石さんが切り盛りしてる朝日新聞がやたらと強いので、日日新聞が対抗で漱石さんを呼んだところ歴史小説とかを書き始め。
好きですよ、好きだけども、売れないよ!! と営業が怒ったのも無理はないような気がするんだよね…本気で難しいし正直、私でも新聞であんなん読みたくない、せめて雑誌のサイズじゃないと目が辛い…。
この辺が語られてるのは「日日新聞における菊池寛の前史」なので、あのあれ、芥川と一緒に入社してた場合、最初から菊池さんのほうが本命だった可能性が低くないという、うっわびっくり、な感じで鴎外さんにも申し訳ない気がしないでもない結論が!
しかし尊厳死などの時事問題に絡めた歴史創作って、やっぱり新聞ではちょっと…。


4月17日めも。


えーとあと、誰にしよう、詩人とか童話作家はさすがに心もとないんだけども、あの、メインストリームから弾かれてた記憶ばかりというか…未明さんは違うみたいなんだけども、あの人はどっちかというと一般小説のところの人というか。
んーと、やっぱり一応あれ【小川未明】さんで。
この人のことは正直なところ、文壇関係だと全く出てこないところがあります、本体があんまりお付き合いの場所に出てこないってことなのか、ちょっとわからない。
ただ、こないだ読んだ『木佐木日記』では中央公論の編集さんのことはわりと気に入っていていろいろしてあげていたみたいなんだけど、当人が内心で迷惑に思っていたというのは、ちょっとこう…人を見る目はなかったのかな。
あと、社会主義傾向のある小説の話だと結構頻繁に出てくるよね。
すごく簡単に言うと「下層の生活を描く」ことが多かっただけで、そこにその是正を考えていたのかどうかはまた別の話だと思うんだけどね。
そういう意味では芥川の小説とも似たところがあると思っていて、芥川の書くのは常に近視眼であまり先行きを考えない人なんだよね。
未明さんが描くのはさらに、先の生活に関して考える余裕すらない人たちであって、どっちもあくまでも自業自得で破滅に至るところがちょっと似てる。
芥川の作品は破滅する前の段階で止まってることが多く、それが作品価値ともなっているんだけど、未明さんの作品は破滅まで書いたほうが出来がいい。

しかし未明さんの作品はやっぱり社会構造そのものの被害者ってことになるんだよな、確かに考えさせる作品になる、ただ、「考えさせ」たかったのかなぁ、ううん…。


4月18日めも。


じゃああれ、…ごんじゃないんだ名前が出てこない、「ごんぎつね」…検索カチッ、そうそう【新美南吉】さん!!
いやまあごん呼びはゲームが元だけどさすがに皆知ってるごんぎつね。
ところで私はごんが可哀想とはあんまり思ったことがなく、とにかく気付かれたかったんだよね自分の存在に、だからしてちょっくら入り込みすぎちゃったんだけど、死ぬ寸前に気付かれたんだから結果オーライ、ラッキー!! みたいな感じの結末だと思っていて、その、昔はそうでもなかったんだけど今、兵衛許すまじみたいな、名前違うわ兵…十? なんて読むんだっけこれまあいいや。
兵十許すまじ殺されて当然! みたいなことを書かれていると、彼が一体なにしたんだよ、という認識にしかならないんだけどね。
だってごんって要するに兵十のこと好きなんだよなー、と。
だから悪戯もするし、プレゼントもするし、存在に気付いて欲しいって危険なところまで踏み込んでしまうみたいな、どうしても他の読み方が出来ない。

これ、いろいろ『赤い鳥』の鈴木三重吉さんに直されてるようで、なんというか直されたあとに頑張ってねじ込んだところとか見るとなんとなくわかるんじゃないのかなぁ…、道徳的な側面のほうを重視させるには邪魔だったのかなぁ、と思えて切ない。
しかしまあ、道徳話になってるんだよなごんぎつね、だからこそ、やたらとたくさんの教科書に載ってるわけだし、まあ原型だと多分無理だよねー。
いわゆる宮沢賢治さんと同じく擬人化発想というか、それで干され気味だった組というか、うんなんていうか、うん、童話組全員おもい。


4月19日めも。


じゃああれ、【宮沢賢治】さんですねー、『銀河鉄道の夜』はなんかねー、何回も何回も何回も何回も断片を見ているはずなのですがどうにもこう、全体像が頭に入らないというか「頭に入らない」とか童話に言ってる時点で微妙に童話読むの良くない気もするというか、あ、寓話系のはわりと好きなんですけど、よたかの星だっけ。
前に大正生命主義というあるんだかないんだかわからない、たまに触れている人はいるという不思議な思想関係の本を読んでいたんですが(思想分類じゃないかもしれん)、そこで挙げられていた賢治くん…なんかこう、キャラを通してももともとの印象が強すぎていまいち呼びにくいんだけども、賢治くんの妙にかたくなで宗教的とも言える態度が一番そう表現されるのがしっくり来たかなぁ。
この人も南吉さんと同じく擬人化表現に近いところはあるんだけども、南吉さんのほうはどっちかというと動物寄りスタンスなので動物にも優しかったり対等だったりする人間っていいよねーww みたいな、よくよく考えたらアンタがナニモンだよ?! みたいな描き方してると思ってるんだけども。
賢治さんはなんというか自然のことを愛してるけどあくまで人間であって、あくまで自然を眺めてるという距離感だという気がするんだよね。

それ故にというか、私にとっては「そのスタンスならば思想として、あるいは哲学に近い形で語ってくれるほうがわかりやすいな」みたいなことになると思うんだよね。
というわけで、もう少しその方向で本お願いします。
賢治さんは本当に社会そのものを変えたかったんじゃないのかなぁ、だって人間なんだものこの人、人は幻影の美しい世界って見たけど、なんか違う気がするんだよな。


4月20日めも。


童話作家が多分一番「読んでない」んですけどもよく考えたら文アル以前から全然余裕で知ってたからなぁ、まあなんか作品論みたいになってるけど(なぜゲームを前提として作品論となってしまったのか、反省)、ええと、【室生犀星】さん。
到底詳しくはないですがこの間、『我が愛する詩人の伝記』を読んだのと、あと芥川の友人としてなんか知られてるのかなー。
犀星さんと一緒にいる時に芥川がかなり黙っているというのは、あ、うん、なんとなく想像してた、なんかこう、懐いていればいるほどそういう感じになるらしいよね。
(ただなんか変なことを喋り始めるパターンもあるけど、聞いてる人が推理を巡らせるようなことを言うのはちょっと…<小穴さんがたまにされてた。)

で、犀星も犀星で芥川の死後に田端から逃げ出してしまい。
どうも一年ほどの間、芥川の幻覚を見ていたのではないかと文士村を扱っている人に言われていて、多分それ自体が推測なのではないかと思うんですが、確かにあった、確かに、なんかおかしな思い出の話してたわ!? ということが思い当たる…。
あと、芥川が萩原朔太郎さんのほうにちょっかい掛けてたのも有名で、それで縁が切られたとか言われているものの、その解釈に関してもなんかいまいち曖昧だよね。
いやあのだって、芥川は朔ちゃんに対してやたらと圧倒しようとしていたり、警句を発したりという「親しくない相手ムーブ」だったらしいんだもん…(初対面の時の態度としても何度か観察されている、有名人じゃなくても記録されるわそんな奇行)。
なにをどう考えて大事な犀星さんの親友にちょっかいを掛けようとしたのか。
てか、この辺なかったことになるのかしら? 忘れてた。


4月21日めも。


んじゃあれです、すでに触れたけど【萩原朔太郎】さん。
朔ちゃんって呼ぶのもなんかあんまり違和感ないんだけど、多分一番詳しかったのは馬込の文士村の本で同じ本を読んだ子牛が「結婚したのが間違いだったとしか言い様が」という結論になっていたんだけど、まあうん、そうだよね。
犀星が女が耐えなかったからだって怒ってたけど、いやいや、夫が不倫をして自分に「寝取られ夫としての役をさせて」とか振舞ってくるくせに本当に他の男と仲良くなったらショック受けて寝込むとか100%当事者責任だろさすがに!!
まあ別に、一番親しい、たまに住居地まで共有してるような親友だから自分だけは庇うってことなら問題あるとも思わないけどねー、犀星。
田端と馬込で近所だったのかな?
ちなみに田端には越して来てすぐに朔ちゃん「湿気高い!」と逃げちゃったんだけど、その短い期間の間に例の芥川の「早朝踏み込み事件」があり、あれが逃げた原因だったとしても実はそんなに違和感ないんだよね。

芥川のあの興奮した態度は、たまに語られているものの、あれが一番頻度高く見られるのが近所のアマチュア芸術家たちに関してであり、田端にいれば見てる可能性があって、それと同じような態度取られると…正直世に出てる人だと傷付くことも、あるかな。
田端の本読んだ時点でぎゃあ?! となったんだよね、なんか違和感あったけどね。
そしてその朔ちゃん、その時期詩人として瀕死で本成功しないと死ぬところだったそうなので、わざとだろうが芥川に悪意があったとは思わない、んだけど。
ただあれ、まあ、その…ちょっと、多用が目立つので…瀕死かアマチュア相手…。


4月22日めも。


で、あとはあれ、【北原白秋】さん、他にも並べる人いるんだけどね。
ところで男性人気のやけに高い人として有名で、たまに見た目褒めてる人もいるものの、写真ではなにがどうとかさっっぱりわからず(普通のおじさん、不細工とは思わないけど美形かっていうと??)、かつて映像で見たことのある周恩来タイプの人かなー、と思っています、あの人も別に美形とか全くないんだけど、動いてると動いてると、目が離せない感じにこう、びっくりした…。

そういや、犀星と朔ちゃんのことはわりと普通に自分の後継的存在って明言してたのね、たまにあるけど徒弟制度っていうか住み込み弟子がまだ比較的一般的だった時代だから正確には弟子ではないって言い方してるだけなのかもね。
あとの世代とかだとサロンに出入りしてるだけで弟子とか普通にあるしなぁ。
佐藤さんとか困った時に泣きつくだけで弟子って、両者がいいならいいけどさぁ!? みいな感じだし、それ考えるともう近所に住んでたこともあるここの人たちとか普通に弟子扱いでいいような気もするんだけどねー。
あとあれ、芥川話題が続いて申し訳ないですが、芥川が好きなことは地味に有名です、なぜならば彼がそれを明言することが極端に少ないからなんですが、同人誌のPNが彼由来だとか白秋さんの関係者に詰め寄ってたとか、白秋さんと同じジャンルの小説を書いたとかまあそんな感じの、彼の場合は「好意の示し方がこう」というパターンとなると一般的に知られてるものが全く参考にならないレベルに違うなって…。
弟さんがアルスっていう出版社やってたんだけど、なぜか現代から調べられなくなっているようです、なぜ、なぜ消え失せた痕跡、なにがあった。

(文アルとか近代芸術、115)
最終更新:2018年08月26日 20:18