くまさんとねこさんのおはなし (2013年 7月)
ある夏の日。
ギーレンは、「大きな仕事」から途中で身を引き、街の皆に命を救われた。
その後、ギーレンは、とある財閥の令嬢のボディガートをすることになった。
令嬢とギーレンが、前途を祝してビールを乾杯しようとしていた時。
女装姿のローズも、偶然、酒場に居合わせていた。
ローズ(女装):(うわぁ、あの人カッコイイ!女性の方も綺麗……初めて見る人たちだなぁ)
あ、セリーナさん。
ブルー・ムーンをお願いします。(頼みつつ、ギーレンと令嬢を横目で見る)
令嬢はローズに気づき、一緒に飲みますか、とローズを誘った。
ローズ(女装):えっ!
良いんですか?お祝い事のようですが…。(迷うように尻尾が揺れる)
祝い事だからこそ、人数は多い方がいいと令嬢はローズに微笑み、名乗って握手を求めた。
ローズ(女装):では、ご一緒させて頂きます(二人ににこりと微笑む)
ローズ・グレナデンと言います。こちらこそ、宜しくお願いします。(令嬢の手を取り握手を)
あ、後…こんな格好ですが、男です(苦笑)
セリーナ:どうぞ、ブルームーンでございます。(ローズの前に出す)
ギーレン:へえ。そこらの女より美人だぜ。
耳と尻尾は自前かい?
俺はギーレン。よろしく頼む。
このお嬢さんの護衛役だ。
ローズ(女装):(セリーナに)ありがとうございます。
(ギーレンに)あ、ありがとうございます///(赤くなりつつ)
はい、黒猫なんです。(耳とパタパタと動かし、尻尾をゆらりと揺らしてみせる)
護衛…ですか、…ってことはこの方は何処かのご令嬢?
彼女は、世界に名の知れた財閥の跡取り候補なのだという。
ギーレン:黒猫さんか。こりゃまたかわいいな。(大きな手で頭をなでなで)
…おっと失礼、子供みたいなことしちまったな。
ローズ(女装):わわっ…いえいえ、撫でられるのは好きなので///
(うわぁ、手ぇ大っきい…)
次期当主!…凄い方なんですね〜(綺麗な子だもんなぁ)
ご一緒できるなんて嬉しいです^^
ギーレン:こいつは…まあ、お偉いさんなのは確かだ。
たとえそうでなくても、雇われた以上、全力で守るけどな。(笑顔)
じゃ、乾杯しようぜ。
出会えたことに感謝する。
乾杯する三人。
どことなく、ギーレンが「先日起こった大事件」の関係者ではないかと推測するローズ。
ギーレンはそれに気づき、隠す素振りを見せずにさらりと告げた。
ギーレン:(ローズに)どうした?
…そっちが言わないなら先に言っちまうぜ。
俺は、この前の事件で、多くの人間を傷つけた敵だ。
薬屋と病院には詫びに行ったが、全員が許してくれたとは思っちゃいねぇ。
…悪人だぜ?(笑)
ローズ(女装):(ギーレンに)そうだったんですね…でも…皆さん無事だし。
…人には色々事情があるものですし、私にはギーレンさんは悪人に見えませんよ。
ギーレン:(ローズに)ここの街の奴ぁ、ちぃとお人好し過ぎやしねぇか?
みんなして、そんなことを言いやがる(ため息)
立派な悪人と呼んでいい経歴してんだぜ?
…まあ、猫はそういうのを察知するらしいから、ローズが俺を怖がらないならいいのかもな。(頭なでなで。さわり心地良かったらしい)
ローズ(女装):(ギーレンに)この街は素敵な人が多いんですよw
それと…私だってあまり誇れる経歴ではありませんから(^_^;)
(撫でられつつ)んぅ…ゴロゴロ…(尻尾が左右に大きく揺れる)
ギーレン:(ローズに)この街は、ちょっと居心地がよすぎらぁ。
あと、美人さんの経歴は、気にしねぇタチでな。
(ゴロゴロいうのがかわいくて、まだ頭をなでている)
撫でられているローズの姿が、令嬢には少し羨ましかった。
気づかないうちに、令嬢は、ギーレンに恋をしていたから。
しかし、ギーレンにとって、令嬢は雇い主で、妹のような存在であり、恋愛対象ではなかった。
ローズ(女装):お仕事ばかりでは大変ですからね。
ガーディアス港の近くには綺麗な砂浜がありますし、商店街も賑やかで楽しいですよ〜
後、私が働いてるバーもあるので息抜きがてら寄って見て下さいな^^
う〜、ゴロゴロ///…(び、美人!?///…撫でられると喉鳴るのが止まんない(^_^;))
支える覚悟を笑顔で示すギーレンと、それに安堵する令嬢の姿もまた、ローズには眩しく見えていた。
ローズ(女装):(ギーレンと令嬢を見て)なんだか素敵ですね…
ギーレン:あー、優しいだの、悪い人には見えないだの…。
本当に、この街に来てから調子狂うぜ…。(頭かしかし)
ローズ(女装):この街はなんだか皆さん暖かいですよね。
そのうち慣れますよw
ギーレン:(ローズに)慣れる…か。ちょっと怖ぇな。
吹雪の中みてぇなところにずっといたからな。
暖かい場所なんざ、うまく想像できねぇよ。
いや、慣れてない分、くすぐったくて居心地悪ぃ(笑)
ローズ(女装):(カクテルを一口)ふふ、最初はそんなものですよ。
ギーレン:最初は、か…。
慣れるもんなのかねぇ…。
場に慣れるのは、仕事柄早いほうだが、こう居場所があったけぇとペース狂うぜ、マジで(笑)
ローズ(女装):この街…猫の私には暖かくて心地いいですw
ペースなんて崩されてなんぼですよ?(冗談っぽく)
酒に酔ったのか、ふらつき始めた令嬢をギーレンが慌てて支えた。
周囲の客も、ギーレンと屈託なく話している。
ローズは、ギーレンを「本当に優しい人だ」と思った。
ギーレン:(令嬢に)こりゃ、連れて帰ったほうが良さそうだな…。
ローズ、飲みに付き合ってくれてありがとうな。
バーに勤務してるって言ったよな?また寄らせて貰うぜ。
よっこいしょ、と。(令嬢を軽々とお姫様抱っこ)
ローズ(女装):はい、お待ちしてます♪
お仕事の合間にでも是非。
私こそ、誘って頂けて嬉しかったです^^(撫でてもらえたし///)
ギーレン:じゃあな。他の皆も、またな。
軽く手を振って酒場を出て行く。移動。
ローズ(女装):(手を振り替えして見送る)
…はぁ;(あんな綺麗な子…勝ち目ないし……今回の恋もダメなのかなぁ……)(しゅんとしつつ、カクテルを飲み干す)
ローズは、今まで何度も失恋経験があった。
好きになった人は、皆、離れて行ってしまう。
それに……「女の子にはかなわない」。
セリーナ:でも、あのギーレンさんって人…本当に、敵だったんですか?
全然そんな風に見えなくて、明るいから…。
ローズ(女装):信じがたいですよね。
…優しそうだったし、気さくだし。
セリーナ:はい。だから…あんな怖いことに関わってたのかと思うと、不思議でならないんです…。
ローズ(女装):そうですねぇ…
何か他ならない事情があったんですかね…;
セリーナ:よし!今度聞こう!
ローズさん、お願いしますね(ウインク)
ローズ(女装):ふえっ!私が聞くんですか!?(あたふた)
セリーナ:そうですよ~?(笑)
ローズ(女装):でも…聞かれたくない事とかだったら…とかって考えちゃいますっ(^_^;)
ギーレンさんを困らせたくないし……(なんだかんだで気になりますが…)
セリーナ:もし聞かれたくないんだったら、あんな風に自分から「敵だった」なんて言わないと思うんですけど…。
普通隠しますよね?
だから大丈夫!(^^)
ローズ(女装):うぅ…確かにですね……
じゃ、じゃぁ、今度あった時に聞いてみます!
セリーナ:私もホントに興味あるんで、お願いしますね(^^)
ローズ(女装):さて…私は一度帰って、出勤準備でもして来ます。
(セリーナに)もし聞ける機会があれば、聞いてみますね!
では、ごちそうさまでした〜
カクテル代を払って酒場を出て行くローズに、セリーナはにんまり笑った。
恋話が大好きなセリーナ。
思いっきり、ローズを後押ししたのだ。
それからしばらくして。
ギーレンが、ローズの勤務する「Ber・Cattleya」(バー・カトレア)に立ち寄った。
ギーレン:こっちのバーにも、寄ってみたかったんだよな。
洒落た内装だな。…俺ぁちょっと場違いか?
ローズ(女装):ようこそ、バー・カトレアへ〜。
って、ギーレンさん!(ギーレンを見つけてかけよってくる)
ギーレン:おう、ローズ。確かお前、ここで働いてるって言ってたろ?
ちょいと覗きに来たぜ。
大男にゃ可愛すぎる店だが、一杯いけるか?
ローズ(女装):来て下さったんですね!嬉しいです!
ぜひ飲んでいて下さい♪(ギーレンを席に案内する)
ギーレン:ありがとよ(笑う)
強めの酒を頼めるか?なかなか酔えないタチでな。
ローズ(女装):かしこまりました^^
少々お待ち下さいな(にこりと笑ってから席を離れる)
ギーレン:こんなに可愛い店とは思わなかったぜ^^;
まあ、目の保養にはいいがな…。
ローズ(女装):お待たせしました。(琥珀色のカクテルをトレーに乗せ戻ってくる)
強めのお酒、という事でバーボネラをお持ちしました
ギーレン:さすが、酒も洒落てんな。
ありがとよ。(ローズの頭をなでなで。猫耳が可愛いらしい)
この店は、店員も一緒に飲んで話せるタイプか?
ローズ(女装):えへへ///(撫でられ嬉しそうにしながら、尻尾が揺れる)
はい、…ご一緒しても良いですか?
ギーレン:さすがに、ここに一人でぽつんといると、大男は肩身が狭い。
いてくれると助かるぜ(苦笑)
バーボネラをくいっと飲み、美味しそうに目を細める
ローズ(女装):(美味しそうに飲んで…かっこいいな〜)
では、(魔法でポンッとキールを出して)
あの…ちょっとお聞きしたい事があって…良いですか?
ギーレン:ん?何だ?
ローズ(女装):その…ギーレンさんは、どうしてあの事件に関わったんですか?(少し不安そうにギーレンを見つめる)
ギーレン:ああ…。まあ、そりゃ気になるよな。
かまわねぇぜ。隠してる訳でもねぇ。
…金が欲しかった。それだけだよ。
ローズ(女装):…お金が必要だったんですか?
ギーレン:故郷に、親のないガキがたんまりいる場所があってな…。
ローズ(女装):!
……じゃあ、その子達のために…。
ギーレン:俺もそこの出身だからな。恩返しのような…まあ、そんなもんだ。
ガキはどんどん増えてくから、いくら稼いでも追いつかねえのなんの(笑)
ローズ(女装):…そうだったんですか。
誰かのために動けるって…素敵だと思います(やんわりと微笑む)
ギーレン:そんないいもんじゃねぇよ。
前回の仕事は、人さらいに人殺しの手伝いだ。騎士にしょっぴかれて当然の男だぜ?
汚れ仕事は、割りがよかったからな…。
ローズ(女装):たしかに汚れ仕事だけど…
ちゃんと善悪の区別がついていれば、良いんじゃないかと思います
ギーレン:区別してる…って訳でもねぇな。本当に金が目当てだった。
ローズ。お前さんは、俺を責めねぇのか?
お仲間を傷つけたのは俺だぜ?
ローズ(女装):(一瞬きょとん、として)
そんな事…考えても無かったです。
皆さんが無事だって聞いて安心してたので、原因とか…そう言うのは頭からすっ飛んでました(^_^;)
ギーレン:(驚いた顔をして)…っく、はははは!
何だよほんとに…。この街はお人好しの集まりなのか?(ローズの頭をなでなでなで)
ありがとうな…。
罵倒されて当然の俺でも、やっぱ…ホッとすらぁ。
ローズ(女装):ふふ///(撫でられてゴロゴロしつつ話す)
それに…あの事件がなかったらギーレンさんに会えなかったですしw
ギーレン:まあ、確かにそうだな(ニカッと笑う)
本当は…でかい金額で請け負ったんで、前回のアレで死んでもいいと思ってた。
なのに、よってたかって俺を生け捕りにしやがってよ(笑)
今を生きてることを…お前さんのお仲間に、感謝してる。
ローズ(女装):皆さん、優しい方達ばっかりですからねw
私も皆さんに感謝しなくちゃ(ギーレンを見つめて微笑みながら)
ギーレン:お前さんをはじめ、本当、お人好しだらけだよ。ここは。(くいっと酒を空け、優しく笑う)
ローズ(女装):(一口飲み)ふふ。
あ…どうされます?もう一杯飲まれますか?
ギーレン:ああ、もう一杯頼む。
ここの酒は美味いぜ。
ローズ(女装):ありがとうございます^^
同じの?それとも違ったものがよろしいですか?
ギーレン:また違った味だと嬉しいなぁ。
混ざると酔いやすいしなw
ローズ(女装):なるほど、
では少々お待ち下さいな〜♪
ギーレン:たまには、ちょっと酔ってもいいか…。
ローズ(女装):お待たせしました。
イエーガー・シューターになります。
ギーレン:(一口飲んで)ほう、こいつも美味しいねぇ。
後味の苦みが悪くない。
腕のいいウエイターだぜ?
ローズ(女装):えへへ///
ありがとうございます。
ギーレン:…ローズの辛い過去ってのは、何だ?
この前、チラっと聞こえたのが気になってな。
ローズ(女装):え…。
そうですね…辛いというか…なんというか…。
私、結構夜遊びが酷かったんですよ…。
ギーレン:夜遊びくらいは、そこまで気にすることじゃないと思うが?
何か、胸につっかえるようなことがあるのか?
ローズ(女装):…奥さんのいる人と…とか。
一晩だけとか…。
寂しさを紛らわすために…色んな人に相手をしてもらってたんです…。
ギーレン:…そうか。(ローズの頭をぽんぽん、なでなで)
お前さん、よっぽどさみしかったんだな…。
ローズ(女装):結構一人でいる事が多くて…。
誰かに愛されてるって実感が欲しかったんです…。
ギーレン:一人の孤独、分からなくねぇぜ。
でも、そういう愛され方じゃ、本当の満足はできなかったろ。
ローズ(女装):…はい。
だから…今も自分を磨いてるんです(苦笑)
ギーレン:(ぐいっとローズを抱き寄せる)
(ローズに顔を近づけて)お前さんは、可愛くて美人だぜ?
自信持てよ。そのままでも、お前さんは愛される資質が十二分だ。
ローズ(女装):わっ////
ギーレンさんにそう言って頂けるなんて…嬉しいです。
(ギーレンを熱っぽく見つめ、うっとりと微笑む)
ギーレン:(額に軽くキス)…危ねぇ危ねぇ、もうちっとで唇にしちまうところだった(笑)
そんな顔されたら、たいていの男はドキっとするぜ。
ホントに自信持てよ?
昔なんざ気にするな。俺だって、夜遊びの経験なら負けねぇ(笑)
ローズ(女装):ん///(額…でも嬉しい…)
惑わされてはくれないんですね。
ギーレンさんのお相手をした方が羨ましいですw
ギーレン:(ローズに)ははは、俺はわりと本気になっちまうタイプでな。
惑わされたら、一晩で終わりって訳にはいかねぇぜ?(軽く笑う)
ローズ(女装):そうなんですか?
…ますます羨ましいですよ(艶っぽく微笑む)
ギーレン:口説かれ上手は好きだぜ?
ローズ(女装):特定の人がいない時は、だいたいのお誘いに答えてきましたが…どうなんでしょう?(軽すぎる…かな…)
ギーレン:オトナの社交辞令って奴だろ?
ローズ(女装):ギーレンさんって…懐の広い方なんですね(ギーレンを見つめ微笑む)
ギーレン:(ローズに)誉めすぎだぜ。
なんでもイケる悪食と、懐の大きい賢者を一緒にしちゃいけねぇ。
俺は、相手を気に入ったら、酒の肴くらいなものにしか思わなかった過去があるだけだ。
今どうあるか、が一番大事だろ。
ローズ(女装):確かに、その通りですね。
でも悪食であれ…ギーレンさんは私からしてみれば魅力的な方ですよ?(冗談っぽく笑う)
ギーレン:(ローズに)ははは、口説き返しか?嬉しいねぇ。
さっきも言ったが、俺はお前さんみたいなのは好みだぜ。(同じく冗談っぽく笑う)
ローズ(女装):(ギーレンに)好みだと言って頂けると…引くに引けません///
私にとってもギーレンさんはドストライクですから、口説き返しくらいしますよ。
ギーレン:(ローズに)お前も変わってるなあ(笑)
悪人だって言ったはずだぜ?(ローズの頭をなでりなでり)
昔から…猫は好きなんだよ。
ローズ(女装):どんな経歴であれ…私を好いてくれるのなら拒みません。
んぅ……(気持ち良さそうに撫でられている)
…飼ってみる気はありませんか?
ギーレン:(ローズに小声で)それ以上は…また後でな。
ギーレンは、本当はその場で返事をしたかったのだろう。
しかし、偶然にも、令嬢の弟が同席していた。
仕事とプライベートを混ぜたくないという理由で、ギーレンは後で返事をすることを約束した。
ローズ(女装):はい、お返事は…頂けるのならいつでも構いません。(やんわりと微笑む)
(良かった。はぐらかされちゃうかと思ってたけど…やぱり優しい人だなぁ…少し困らせちゃったかも…)
ギーレン:(支払いはここに置いとくな。釣りはいらねぇから。
じゃあな、ローズ。また…な?(笑顔)
ローズ(女装):いえいえ、お金は大切にしてくださいな。
(さっと勘定をし、おつりをギーレンのポッケへスッと入れる)
はい、ギーレンさん。…また今度(微笑む)
ローズは、胸が高鳴るのを押さえきれず、仕事上がりにセリーナのいる酒場を訪れた。
ローズ:どうも〜。
セリーナさん、オレンジジュースをお願いします
セリーナ:ローズさん、お疲れ様です。
仕事上がりでしょう?(オレンジジュースを出す)
ローズ:はい、そうです〜。ありがとうございます。(一口飲み
そうそう、ギーレンさんとお話しできましたよ!
セリーナ:えっ!?お話しできたんですか!!
ど、どうでした?(ドキドキ)
ローズ:故郷の親のいない子達のために、お金が必要だったみたいです。
セリーナ:…やっぱり、あの人、ホントはいい人だったんですね。
なんだかすごくほっとしました。
ローズ:私もです^^
あぁ〜、なんだか今日は凄くドキドキしっぱなしでした(苦笑)
セリーナ:で、どうですか?ギーレンさんとの仲、進展しました?(期待の眼差し♪)
ローズ:うぅん…そうですねぇ…結構ガンガンいってしまったような気もしますが…。
今はお返事待ちです///
セリーナ:ガンガン行くのが恋愛の基本ですよ!
お返事待ち…いいお返事だといいですね(^^)
ローズ:(先日のやり取りを思い出して赤くなる)いい雰囲気には…なれた…かな?
お返事次第ではありますが…////
セリーナ:ローズさん、顔が赤いです♪
私、応援してますからね!
ローズ:わわっ、赤いですか?///
セリーナさん、ありがとうございます!頑張ります^^
セリーナ:願えば叶う!ですよ(^^)
ローズ:ふふ、願えば叶う…ですか
素敵な言葉ですね♪
しばらく談笑していると、ふと、こんな話になった。
セリーナ:あー、私、貴族じゃなくてよかったなー、ってたまに思います。
自由に生きたいですよね~?
ローズ:そうですねぇ〜。
でも、……誰かに縛られるのも悪くないかも…なんてw
セリーナ:ギーレンさんとか?(くすくす)
ローズ:はい////(頬を真っ赤に染める)
セリーナ:ローズさんかわい~い♪///
ローズ:うぅ///(真っ赤になりつつ耳をぺしょりと伏せる)
ずっと一人だったから…誰かに寄り添っていたいんです!///
それからしばらくして。
ギーレンは、仕事が休みのローズを誘い、セリーナのいる酒場に寄った。
ギーレン:近いと助かるな。まだ、この辺に慣れてないからな^^;
セリーナ:いらっしゃいませ!(にっこり♪)
あ、ローズさんと…ギーレンさん!(心の中で応援!)
ギーレン:(テーブル席で)一杯頼めるか?
俺はウイスキーで。
ローズ:セリーナさん、こんにちは〜。
僕はキールをお願いします。
セリーナ:はい、かしこまりました。
バランタイン12年と、キールでございます。
ギーレン:休みの日なのに、呑みに付き合わせて悪かったな。
ありがとよ。(笑顔)
ローズ:いえ、…呑みに誘って頂けて嬉しいです///(赤くなりつつ微笑む)
ギーレン:だったらよかったぜ。あそこでお前さんに会えなきゃ、帰ろうかと思ってたしな(笑)
ローズ:そうだったんですか?
…なら、尚更嬉しいです(照れたように微笑む)
ギーレン:…(ふと、ラッピングされた小箱に気づく)ん、買い物帰りか?
ローズ:あぁ、はい。
綺麗な色のグロスだったので買っちゃいました。
ギーレン:…(何故か少し苦笑い)そうか。
そういや、メイクを落としたお前を見るのは今日が初めてか。
こっちも可愛いもんだな。
ローズ:…?
お仕事の時はいつもメイクしますからね…
か、可愛いですか?///(嬉しい…///)
ギーレン:どっちかというと、今の姿のほうが好みかもな?(くすっと笑う)
ローズ:(顔を赤くしつつ)本当ですか?…そう言って頂けると嬉しいです////
ギーレン:(頭なでなで)バーで言ってた言葉…。
ありゃ、客へのリップサービスか?それとも…?
ローズ:…リップサービスなら、あんなに躊躇いません。
……心からの言葉…ですよ…。
(少し不安そうな顔でギーレンを見つめる)
ギーレン:…だったら、俺も安心した。(微笑む)
ローズ:それって……(僕のことどう思ってるんだろう…)
ギーレン:今日バーに行ったのはな。「猫を飼おう」かと思って、だ。
ローズ:!
……飼って…頂けるんですか?
ギーレン:しかしな…。
俺は仕事で、仕事先に住み込みだ。
休みもなかなかねぇし、不定期だ。
家で飼えねぇなら、猫の巣におじゃますることになるんだが…どうだ?
ローズ:お仕事が護衛だと聞いたときから、その辺は承知してました。
僕は、アパートで一人暮らしですから
我が家ならいつでも来て大丈夫ですよ。
ギーレン:じゃあ、決まりだ(ニカッと笑う)
俺と付き合わねぇか?…恋人として、な。
ローズ:!(ぶわっと顔が赤くなり、瞳が潤む)
お願いしますっ///
ギーレン:(ローズの頭をなでなで)
こちらこそよろしくな。可愛い黒猫ちゃん。
最初に見たときから思ってたんだよな。
抱きしめたら安心できそうな子だな…ってよ。(少し照れる)
ローズ:んぅ(撫でられてゴロゴロ)
そんな風に思って頂けてたなんて…嬉しすぎます///
僕も…たくましくて素敵な人だな〜って思ってました(目を細めて笑いかける)
ギーレン:お互い好みなら、まあ最初の一歩はOKだよな?
あと…。ちょいと恥ずかしいんだが…。
ラッピングされた小箱を取り出す。
ローズが買ったものと全く同じのようだ。
お前さんに何か手みやげでも…と思ったんだが…タイミング悪かったなぁ(苦笑)
バーの同僚にでもあげちまってくれ。
ローズ:そんなっ大切に使います!
消耗品ですし、2つあって嫌なものじゃありません^^
僕も…なにか用意しておけばよかったなぁ
ギーレン:貰ってくれるなら、まあ無駄にならなくて済んだ訳だ(笑)
お前さんからは、これからゆっくりでいいんじゃねぇか?
今は、こうして触れさせてもらえりゃ…それで十分に有り難てぇ。(頭なでなでなで…)
ローズ:…ふふ、そうですね。(これから…か、嬉しいな…)
(撫でられて嬉しいのか尻尾がゆらゆら)撫でられるのって気持ちよくて好きです///
好きに触ってもらっていいですよ?(冗談っぽく)
ギーレン:おいおい、それは誘ってるって受け取ってもいいのかよ(笑)
よいしょっと!(ローズの隣に座り、ローズを抱え上げて膝に座らせる)
飼い猫は膝の上、だろ?w
ローズ:ひゃっ!///(驚きつつも大人しくされるがまま)
誘う気ではありましたが…こうされるとは思いませんでした////
ギーレン:(心ゆくまでローズの頭なでなで…)
お前さんは、猫なのにホント、おとなしい性格だなぁ。
飼い主をひっかくとかしそうにねぇ(笑)
誘い方も純情でかわいいぜ?
心は汚れてない証だな。
ローズ:(ごろごろと喉が鳴る)大好きな人に、爪なんて立てませんよw
…ただ、心は綺麗じゃないかもしれません。
欲と嫉妬にまみれる事だってありますし…。
ギーレン:なんだ、爪は立てないのか?(くすくす)
お前さんの心は綺麗だよ。
そんな可愛い欲と嫉妬なら、いくらでもぶつけていいぜ?
全部受け止めてやるくらいの度量はあるつもりだ。
ローズ:…やっぱり優しいんですね。
そう言って頂けるだけで楽になります。
僕も、ギーレンさんの感情も何もかも受け止めるつもりですよ。
ギーレン:優しくない時もあるぜ?一応男だからなあ(笑)
じゃあ、お互い様って事で。
なんだろうな…。お前さんといると、ホッとするんだよ…。(後ろからぎゅっと抱きしめる)
ローズ:ふふ、根が優しいんですよw
それに…好きな人にだったら割と何されても嬉しいです////
僕も…暖かくて安心します(ギーレンに体を預け、腕に手を添える)
ギーレン:ははっ、ホントにあったかいぜ。お前さんは…。(なでなで…)
あんまり煽るな。二階連れ込むぞ?(くすっ)
ローズ:ふふ(ごろごろ…)
(艶っぽく微笑み)我が家でも構いませんよ?w
なんて、お仕事に響いたら大変ですもんね(くすくす)
ギーレン:悪かぁないが、今はちょこっと抜けてきただけだからな。
今度、一日休みを貰うことにするぜ。(猫耳のつけねをこりこり)
ローズ:んァっ///(ぴくりと体が跳ねる)
わ、わかりました。楽しみにしてますね//
ギーレン:あ、やっぱここって弱いのか(笑)
ローズ:知っててやったんですかw
付け根は弱いんです///(照れつつ)
ギーレン:昔飼ってた猫(本当に猫)が、そこ好きだったんだよw
ローズ:飼ってたんですか~
通りで撫でるのが上手なわけですw
ギーレン:ん、戦場で拾ってな。
ずいぶんと癒しになったもんだ。
一緒に寝ると、暖かくて柔らかくてな…。
まあ、気がついたらいなくなってたが。フラれたらしい(笑)
ローズ:なら…今度は僕が癒します。
貴方が求めてくれれば、精一杯答えますよ^^
ギーレン:…ん。頼む。
ローズは、ふいっとどっか行っちまうなよ?(抱き寄せて少し目を閉じる。あたたかさを味わっているようだ)
ローズ:もちろんです。
ギーレンさんが離れろと言うまでは、ずっと寄り添っていますよ(こちらも目を閉じる。ゴロゴロと喉が鳴っている)
ギーレン:…まったく(微笑む)
そんなに相手に尽くすから、俺みたいな男にひっかかるんだぞ?(笑)
ローズ:ふふ、だったら振られてきた甲斐がありましたw
素敵な人にひっかけてもらえたので(微笑む)
(少し小さい声で)ギーレンさん…大好きですよ…。
ギーレン:(耳元で小さく)俺も好きだぜ。ローズ…。(耳に軽くキス)
ローズ:ん…(パタッと耳が一回振るえる)
(こんな風に大切にされたの…初めてだ…)
ギーレン:(なでなで…)
ローズ:(ごろごろ…嬉しい…あったかい)
ッハ、ギーレンさんっ!
お仕事戻らなくて大丈夫ですか?
ギーレン:うおっと、やべぇか!?
ちょいと出るって言ったままだしな^^;
じゃあ、そろそろ戻らぁ。
今度こそ、一日休み貰ってくるからな?
ひょいと立ち上がり、ローズの頬にキスして酒場を出て行く。
酒代はちゃんとテーブルに置いてある。
ローズ:はい、お待ちしてます。
お互い、お仕事頑張りましょうね!(ギーレンを笑顔で見送る)
あれからもう、数年の月日が流れたけれど。
互いの心は変わることなく、「くまさん」と「ねこさん」は、寄り添い続けている。
最終更新:2015年12月16日 18:05