問題38 下記の消化管に関する症候群のうち

(1)疾患と症状の関係が間違っているものはどれか。2つ選べ

(2)遺伝性疾患のうち遺伝形式に仲間はずれが1つある。どれか。

a Boerhaave症候群-食道胃接合部付近の粘膜下層までに縦走する裂創

b Cronkhite-Canada症候群-低蛋白血漿・難治性下痢 c Gardner症候群-大腸癌、骨・軟部腫瘍 d Lemmel症候群-Vater乳頭部近傍の十二指腸憩室による閉塞が起こす胆石、胆汁うっ滞 e Peutz-Jeghers症候群-過誤腫、口唇などに色素斑 f Turcot症候群-大腸癌、中枢神経腫瘍 g Zollinger-Ellison症候群-回腸潰瘍、慢性便秘


解答 正解:(1)ag(2)f 解説 (1) ×a Boerhaave症候群(特発性食道破裂)-食道下部左側の食道破裂である。 嘔吐(多くは飲酒後)などにより食道内圧が急激に上昇,横隔膜直上の下部食道が長軸・線状に破裂しておこる。左側壁,中年男性に多い。 (食道胃接合部付近の粘膜下層までに縦走する裂創はMallory-Weiss syndrome) ×g Zollinger-Ellison症候群ガストリン産生腫瘍(ガストリノーマ)により胃酸分泌亢進をきたし,難治性の消化性潰瘍が出現する症候群である。 ①難治性消化性潰瘍,②胃酸の過剰分泌,③非β細胞由来の膵島腫瘍が3主徴である。

(2)f 大腸腺腫症症候群 遺伝性の消化管ポリポーシスの一群で,組織学的には腺腫であり肉眼的にポリープ(多発)の形態をとる。家族性大腸腺腫症,ガードナー症候群,ターコット症候群,ツァンカ症候群などが挙げられる。家族性腫瘍性ポリポーシスの2/3の症例が遺伝的家系をもち常染色体優性遺伝をし,その浸透率は高く遺伝子を有する家系に属するもののうち80~90%が本症に罹患する。 ○b Cronkhite-Canada症候群:遺伝性がなく消化管ポリポーシスに脱毛,爪甲異常,全身の色素沈着など外胚葉性病変を伴う. ○c Gardner症候群-大腸癌、骨・軟部腫瘍(常染色体性優性遺伝:癌抑制遺伝子のAPC遺伝子の異常) ×f Turcot症候群-大腸癌、中枢神経腫瘍(常染色体性劣性遺伝:癌抑制遺伝子のAPC遺伝子の異常) ○e Peutz-Jeghers症候群-過誤腫、口唇などに色素斑(常染色体優性遺伝:LKB1遺伝子変異) ○g Zollinger-Ellison症候群ガストリン産生腫瘍(ガストリノーマ)により胃酸分泌亢進をきたし,難治性の消化性潰瘍が出現する症候群である.

レンメル症候群Lemmel syndrome 十二指腸ファーター乳頭部近傍に発生した憩室が,胆汁うっ滞の原因となり閉塞性黄疸が発症した病態。後天性。機序として,①憩室内に胆管が開口している場合は,憩室の炎症がファーター乳頭に慢性的炎症を与え, 乳頭炎を起こして線維化を来し,開口部の狭窄を引き起こす, ②憩室が膨張して下部胆管を圧迫する, ③憩室のため乳頭部機能不全に陥る,などが考えられている。 胆道造影などにより診断が確定すれば,乳頭形成,憩室切除などを組み合わせた外科的治療を行う。 問題39 (98回改) 35歳の男性.血便を主訴に来院した.数年前から下顎の違和感と腫脹とを認めていた. 同じころから血便を繰り返していたが,数日前から血便の程度が強くなった.血液所見: 赤血球320万,Hb 11.5g/dl,血小板17万.注腸造影写真(A)とパノラマ撮影による顎骨 のX線写真(B)とを次に示す.今後出現が予測されるのはどれか.3つ選べ. (A)(B)(CTRLキーを押しながらクリックすると別窓で立ち上がるので便利) http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201207121857590000.jpg http://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201207121857590001.jpg a 中枢神経腫瘍 b 類表皮嚢胞 c 蛋白漏出性胃腸症 d 大腸癌 e 軟部腫瘍


解答 正解:bde 解説 診断:ガードナー症候群 消化管造影と下顎骨のXPより。 下顎骨のXP像でX線では類円形ないしびまん性のX線不透過像として描出される. 本症の骨腫には基本的には浸潤性はない.

ガードナーだろ 「顎ガード」で覚えとけ

大腸腺腫症のうち、 骨腫や軟部腫瘍(類表皮嚢胞,線維腫)を合併したものをガードナー症候群, 中枢神経腫瘍を合併したものをターコット症候群と呼ぶ。 本症は放置すれば100%大腸癌を合併するといわれ,外科的に大腸切除が原則である。 5歳までに癌の合併が数%あり15~20歳で30%以上の癌化の報告がなされている。

ちなみにだけど、家族性ポリポーシスに骨軟部腫瘍がガードナーね。常優 ターコットは常劣で中枢神経腫瘍合併。タコチュウで感じるで覚えとけ ポイツイエーガーは常優。これは過誤腫だから癌化少ない こんくらいは最低覚えとけ あとは、最近出たやつだと遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)ね、 これは若年と書いてあるが40代くらいだから注意。 右側結腸優位で大腸癌できることと、子宮卵巣胃癌の合併あること、比較的予後がいいこと これは一応チェックしとけ

最終更新:2014年04月25日 13:57