Ancient Angel
いわゆる異次元から現れる者は、何も
悪魔だけではない。
『
天使』と呼ばれる者たちも、同じように存在するのだ。
しかし彼らは人間の住まう次元に進出することに殆ど興味を示さないために、
悪魔に比べてその認知度は低く、資料も少ない。
ジャッジメントデイ以降初めてその存在が確認されたのはera2以前で
「悪魔ならざる悪魔」が出現したという記述が残されている。
基本的に暗く禍々しい色合いの身体を持つ悪魔とは異なり、白く明るい色合いの身体を持つものが多い。
era2に入ってから学術的に解明が進み、「悪魔以外の異次元生命体」という定義付けがなされた。
悪魔との関連性についてははっきりしていないが、基本的に対立関係にあるといわれている。
またゲートの性質が異なるために悪魔とは別の異次元から出現するものであるとされ、
その次元は『魔界』に対して『天界』と呼称されている。
この天使は
久平領北部の
旧世界遺跡の最奥にて、身体が欠損した状態で休眠している個体が発見された。
General Demonとはまた違った、そしてこれまで発見されたどのマナとも違う属性の強大な魔力を纏っているが
何の属性かは判然とせず、暫定的に『
無色のマナ』と名付けられた。
少なくとも地球上では初めて発見されたものであり、
一説には隕石などの形を取って古代の地球に飛来したものなのではないかと言われている。
画像は発見当時のもので、民間の私設発掘隊によってその存在が明らかにされ、後に学会に発表された。
そしてこの発見が予想以上に重大なものであったという事実は、この時はまだ誰一人として、知る由もないことであった。
『こりゃあ凄いぜ。学会の爺さん達も、きっと腰抜かすぞ』
『退けよ降りられんだろ。でもでかいな。……寒気がしてきた』
『気温は大したことないんだがな。確かにちと気持ちわりい……何かここにいちゃ不味そうっていうか』
『さっさと写真と記録とって帰ろうぜ。あとは国に任せときゃいい。金ならがっぽりくれるだろうしな』
―――ある発掘員の会話
最終更新:2016年09月13日 13:06